ハリウッドと関係の深いハイテク関連団体が、DVDをクラッキングするコードをオンライン上で公開したとして、カリフォルニア在移住のプログラマーを相手取り、長期にわたって繰り広げてきた訴訟を取り下げた。両当事者の弁護士が米国時間22日に明らかにしたもの。
DVD Copy Control Association(DVD CCA)はカリフォルニア州の裁判所に対し、プログラマーのAndrew Bunnerに対する訴訟の取り下げを申請した。同団体は、DVDのデコードと複製を助けるDeCSS(Decryption of Content Scrambling System)と呼ばれるコードを掲載する行為が企業秘密権を侵害するとして、Bunnerと複数のウェブ出版者を4年前に提訴していた。
DVD CCAの判断により、DeCSSコードをめぐる最後の重要な法廷闘争の幕が下ろされることになる。結局同団体は訴えを取り下げることとなったが、これまでの裁判では米国内での同コードのオンライン配付は連邦法違反との判断が下されていた。
それでもBunnerの弁護士は、訴訟取り下げという今回の意外な判断は、言論の自由の勝利だと述べている。
Bunnerを弁護してきた弁護団の1人であるAllonn Levyは、「彼らは敗訴が続くことに嫌気がさしたのだと思う。ようやくこれが勝ち目のない訴訟であるとの結論に達したのだろう」と語った。
DVD CCA側の弁護士から直接コメントを得ることはできなかったが、彼らは声明を出し、同団体はほかの裁判の判決に基づいて裁判戦略を「進化」させており、カリフォルニア州での業務上の秘密を巡る訴訟はもはや不要になったとした。
Weil、Gotshal & MangesのパートナーでDVD CCAの主任弁護士を務めるRobert Sugarmanは、この声明の中で、「業務上の秘密をめぐる裁判は、ほかの訴訟とともに重要な判例となり、重要なメッセージを伝えてくれた。業務上の機密を所有する者は、自らの財産が濫用されるのをただ黙って見ているようなことはしないし、裁判所の判断は、知的財産の保護が法律制度の重要な優先課題であることを示した」と述べた。
ハリウッドは、DVDを複製する過程で利用できるDeCSSコードを支配下に置こうと試みる中で何度も後退を重ねてきたが、今回の判断はこれらの出来事に続くものだ。
Jon Johansenというノルウェー人のティーンエイジャーが書いたこのコードは、当初はLinuxベースのコンピュータでDVDを再生するためのものだった。だがこのコードは、大半のDVDが採用するコピー防止技術のContent Scrambling Systemを突破する目的で幅広く配付されてしまった。
ノルウェーの裁判所は先月、JohansenはDeCSSコードを公表するにあたって同国の法律には違反していないとする判断を再び下している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力