「PCの遠隔破壊も止むなし」:米上院司法委員長、違法コピー対策で

 上院司法委員会委員長のOrrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)は米国時間17日に、音楽の違法コピーに使用されたコンピュータを、著作権保持者が遠隔操作で破壊しても良いとする法案を公聴会で提出した。自らもアマチュアの作曲家であり、著作権保護に個人的な関心を持つHatch議員は、「業界は、違法コピーの防止に効果的な方法を探す手助けをほとんどしていない」と批判した。

 しかし、同議員は18日の声明で、わずかに態度を軟化させている。違法なファイル交換に使われているコンピュータの広範な破壊を許可するという提案がまだ検討段階であると断った上で、「穏健な解決策があるならば、極端な解決策を選ぶつもりはない」と述べた。

 Hatch議員の提案を聞いた議会は、前代未聞の過激さに驚愕した。元司法省検察官でジョージワシントン大学法学部の助教授であるOrin Kerrは、「最悪の考えだ。治そうとする病気よりも、その治療法のほうが、もっと不健全だ」と評した。またKerrは、Hatch議員の法案が立法化された場合、コンピュータ詐欺濫用防止法(Computer Fraud and Abuse Act)を修正する必要があると指摘した。コンピュータの破壊や機能停止などの行為は、同法では違法行為とされるからだ。

 公共利益団体もHatch議員の法案に困惑した。米Public Knowledgeの弁護士、Mike Godwinは、「Hatch議員を尊敬しているが、コンピュータの破壊が著作権侵害問題の解決策だと信じているのは彼1人だけだろう。いずれ彼も法案を提出したことを後悔するのではないか」と述べている。

 なお、Hatch議員は18日、彼自身が著作権を侵害しているとの疑いがかけられた。同議員のウェブサイトであるhatch.senate.govでは、英Milonic Solutionsが開発したコードをメニューに使っている。MilonicのJavaScriptメニューを使用するには、35〜900ドルを支払ってライセンス番号を取得しなければならないが、Hatch議員のサイトにはライセンス番号がなかったという。代わりに、同サイトのHTMLコードにはこのようなメッセージが記されていた。「私がメニューのライセンスだ」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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