「Firefox」の次期版にはフィッシング詐欺対策機能が搭載される予定である。そして、これがGoogleの技術を利用するものになる可能性がある。
米国時間3月7日にインタビューを受けたMozillaのMike Shaver氏は、2006年第3四半期中にリリースされる「Firefox 2」において、フィッシング対策が重要なセキュリティ新機能になると述べた。
Firefoxの開発を監督するMozillaで、テクノロジーストラテジストを務めるShaver氏は、「フィッシングがウェブ上で深刻な問題となっているのは周知の事実だ。われわれはFirefoxにフィッシング対策を実装するつもりで、この取り組みにはGoogleの協力を仰いでいる」と話している。
オンライン攻撃が増加し続ける中、ウェブブラウザメーカーにとって、セキュリティツールは自社製品を差別化するための要素となっている。Microsoftは、2006年後半に発表する「Internet Explorer(IE) 7」に、ウェブユーザーをオンライン詐欺から保護するための機能を導入する予定だ。同様の機能は、2005年にリリースされた「Netscape 8」および「Opera 8」にもすでに搭載されている。
「ブラウザメーカーが活力を取り戻したことを示す、1つの例だ」と、Shaver氏は指摘した。
フィッシングはまん延するオンライン詐欺の一種で、ユーザー名やパスワード、クレジットカード情報といった機密性の高いデータを盗もうとするもの。通常の攻撃は、スパムメールと、正規サイトに見せかけられた不正なウェブページを組み合わせて行われる。Anti-Phishing Working Groupによれば、2005年12月時点で、7197件のフィッシングウェブサイトが確認されていたという。
Firefox 2にフィッシング対策を施すことは決まっているが、どのように実装するかについてはまだ何も確定できていないとShaver氏は話す。「Firefoxプロジェクトに貢献してくれたほかの組織などと同様に、Googleもコードと専門知識をこの試みのために提供してくれた。だがわれわれは、所定のアプローチや技術、パートナーといったものにはこだわらないようにしている」(Shaver氏)
GoogleとFirefoxのつながりは強い。1年前には、カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置く検索大手Googleが、オープンソースブラウザFirefoxのリードエンジニアだったBen Goodgerを雇い入れている。一方Firefoxは、Google独自のアプリケーションとサードパーティ製品をバンドルした「Google Pack」の一部となっている。今回の取り組みに関するGoogleのコメントは得られていない。
最も利用者の多い2大ブラウザであるIEおよびFirefox自体には、フィッシング対策機能はまだ搭載されていないが、そうした詐欺から身を守るためのブラウザアドオンはすでに存在している。Firefox向けのプラグイン「Google Safe Browsing」やIE用のMicrosoft「MSN Toolbar」などがその例だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力