Internet Explorer 7(IE 7)の最新プレビュー版が公開された直後から、同ブラウザのバグを見つけたという報告が相次いでいる。
MicrosoftがIE 7のテスト版バージョンを公開してからわずか1日しか経過していないが、インターネットのニュースグループやブログには、同ブラウザのバグに関する報告が続々と出始めている。また、あるセキュリティ研究者は、同ブラウザにセキュリティの脆弱性が見つかったと主張している。
複数の報告があるのは、McAfee製セキュリティソフトウェアとの互換性の問題や、不特定のスパイウェア/ウイルス対策ツールに起因する同ブラウザのインストール問題など。また、特定の機能を利用したり、特定のウェブサイトをブラウズしたところ、IE 7がハングもしくはクラッシュしたとの報告もある。
Microsoftは米国時間1月31日に、IE 7ベータ2のプレビューバージョンを公開した。だが同社によるとこの製品はまだ未完成の状態にあるという。今回のリリースは、開発者やITの専門家に同ソフトウェアを試用する機会を提供し、フィードバックを得るためのもので、Microsoftではこれを通じて、年内登場予定の正式版やまもなく登場するテスト版で問題が発生するのを防いだり、あるいは問題の数を減らしたいと考えている。
このIE 7プレビュー版には、Microsoftが数カ月前からしきりに宣伝してきた多くの機能が搭載されており、フィッシング詐欺やスパイウェアなどの脅威に対抗するための仕組みなど、新しいセキュリティ/プライバシー 保護機能が含まれている。
しかし、 セキュリティ研究者のTom Ferrisによると、同ブラウザのテスターらは既に危険にさらされている可能性があるという。Ferrisは31日、IE 7に潜んでいる脆弱性の詳細を明らかにした。Ferrisが自らのウェブサイトに掲載した情報によると、この脆弱性を悪用することでブラウザをクラッシュさせたり、特殊なウェブページを作成して脆弱なシステムを完全に乗っ取ることが可能になるという。なお、Microsoftからは、Ferrisの警告に対するコメントを得ることはできなかった。
また、IE 7のプレビューバージョンと、一部のセキュリティ対策ソフトとのコンフリクトも報告されている。複数のユーザーの話によると、同ベータ版をダウンロードしてインストールしたところ、McAfeeのセキュリティソフトウェアを開いても、テキストやグラフィックスが全く表示されなくなったという。また、それぞれのアプリケーションを再インストールしてみても効果はなかったという。
あるテスターはMicrosoftのニューズグループへの投稿のなかで、「McAfee Internet Security Suiteをシステムにインストールしているが、IE 7をインストールしたところ、どちらも動かなくなってしまった。業界をリードするソフトウェアとの互換性を確保することは、多少の犠牲を払ってでも必要なはずだ」と述べている。
これに対し、MicrosoftはIE開発チームのブログで、McAfeeのソフトウェアとの間に互換性の問題があることを認めている。「この問題については認識しており、今後公開するビルドでは解決させたい」(同ブログ)
McAfeeでも、IE 7との問題解決に向けて作業を進めていると言う。「この問題の影響でMcAfee製品のインターフェースの表示がおかしくなるが、ユーザーのシステムを守る自動保護機能はそれでも動作している」と同社関係者は電子メールによる声明のなかで述べている。
そのほか、インストールの最中に「msfeeds.dllファイルが見つからなかった」とのエラーメッセージが表示されてしまい、IE 7がまったくできなかったという報告もある。これについて、Microsoftの関係者はブログのなかで、一部のセキュリティ対策ソフトを互換性の問題が原因で発生したものだとしたが、ただしソフトウェアの具体名は明らかにしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス