中国人ブロガーの検閲で非難を受けていたMicrosoftは米国時間31日、自国の法律に違反するコンテンツの排除を求める各国政府からの要請を受け、新しいポリシーを発表した。
Microsoftの新しいMSN Spacesポリシーは、同社がコンテンツを削除するのは「内容が当該国の法律に違反していることを示した法的拘束力のある通告が政府からある」とき、あるいはコンテンツがMSNの規約に違反するときに限定される、と規定している。そして、コンテンツを削除する場合も、その対象となるのは通告を出した国に限定されるという。同社はまた、「コンテンツの削除理由は必ずユーザーに伝える」ことも約束するという。
Microsoftの法律顧問Brad Smithは、ポルトガルのリスボンで電話インタビューに答え、「一歩下がって十分な配慮がなされているかどうか確認する必要があると感じた」と語った。新しいポリシーは、各国首脳が集まり当地で開かれたフォーラムで発表された。
今回のMicrosoftの措置は、中国人ジャーナリストで、Michael Antiの名でも知られるZhao JingのMSN Spacesブログへの書き込みを削除して批判されたことを受けたものだった。
Microsoft社内でも、社内ブログを持つRobert Scobleなどが、Anti擁護の態度を明確に示している。
Scobleは自身のブログに、「MSNの諸君へ:申し訳ないが、政府の手下になるという姿勢には同調できない。アルゴリズムを使って一連の単語を削除するのと、政府の手先となってブロガーの記述すべてを検閲するのとは全くの別問題だ」と書き込んでいる。
Microsoftは先に、「民主主義」や「自由」といった一部の語句を中国のMSNページから削除したことを認めている。
業界全体としての課題
Smithによると、新しいポリシーは、社内や政府首脳および権利擁護団体とも議論して検討した結果だという。先週のダボス会議でも議論があり、同氏は前アイルランド大統領で国連人権高等弁務官も務めたMary Robinsonとも会談している。
Smithは、国を排斥するよりも規制を受けながらでもビジネスを展開した方が得策だ、とするMicrosoftや多くのライバル企業の中国に対する立場を重ねて強調した。たとえば、Googleも先週、検閲機能付きの中国版サイトを立ち上げている。
「世界中に進出する方が、進出しないより明らかに良いと思う。これらのサービスは提供した方が絶対に良いはずだ。そのためには、その国の法律に準拠する義務もやむを得ない」(Smith)
Smithは、もっと議論を重ねる必要があるとした上で、Microsoftは政府の規制に対する業界全体の規格の登場に期待していると付け加えた。
「これは1国だけの問題ではないし、1社だけの問題でもない。つまり、これからはインターネット技術全般をカバーする幅広い基本方針が必要になるだろう。各種技術に対応する多くの対策が必要になってくる」(Smith)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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