楽天ポイント騒動、キャンペーン付与分は全部取り消し--商品購入分の請求も

別井貴志(編集部)2006年01月10日 21時35分

 2005年は楽天市場の店舗から個人情報が流出したり、東京放送(TBS)の株式を取得したりするなどで話題を集めた楽天だが、2006年の年明け早々にも楽天ポイントのキャンペーンで騒動が起こった。2005年12月10日から各種サイトで実施した「楽天ブックスポイントプレゼント」のキャンペーン企画を早期に切り上げ、ユーザーに付与したすべての楽天ポイント(1ポイント1円)を取り消した

 キャンペーンは、提携しているasahi.comやAOLなどのキャンペーンサイトにアクセスすると、2006年2月28日までの期間限定で利用できる楽天ポイント500円分が取得できる企画だった。楽天の会員がキャンペーンサイトのURLへアクセスすれば誰でももれなくポイントが付与された。そして、このURLがサイトや掲示板に複数掲載されたり、オークションでポイントが売買されたりして話題となってしまった。このキャンペーンを機に新規に会員登録した場合には、さらに300ポイント取得できることもあって、1人で複数の楽天会員アカウントを取得して、大量にポイントを得るユーザーが相次いだ。興味本位で試すユーザーも次々にあらわれた。大量にポイントを取得するための自動ツールやスクリプトなどまで登場する始末だった。

 こうした状況を考慮し、楽天では各種キャンペーンを「定員に達した」として予定よりも早期に終了させた。1月9日には「キャンペーンの趣旨とは異なる利用が多数見られたためキャンペーンを中止する」と発表し、今回のキャンペーンで付与したポイントはいったんすべて取り消した。ポイント獲得・利用履歴ページには「楽天ブックスポイントプレゼント取り消し分」と表示され、マイナスポイントとして計上されている。

 そして、楽天は「弊社が正規の利用であると判断したユーザーには順次連絡をとり、再度キャンペーンポイントを付与していく」としている。

 そのうえで、今回のキャンペーンで取得したポイントを利用してすでに商品を購入したユーザーについては、「商品購入時に利用したポイント分の代金は楽天がユーザーに代わって入金処理しているので、楽天ポイントの規約に沿って楽天がその分をユーザーに請求する」としている。この対応については、「楽天のクリック詐欺だ」と批判するユーザーもいる。

 こうした措置は、全日本空輸(ANA)と楽天が共同で展開した「ANAマイレージクラブWEB入会キャンペーン」「楽天ブックスdeマイルキャンペーン」でも採られ、付与したポイントをいったん取り消すことが1月10日に正式に発表された。

 今回のキャンペーンでポイントが付与されたユーザーの人数や、ポイントが再付与される見込みのユーザー数、キャンペーンポイントで購入された商品の総額、再付与される見込みのないユーザーに代わって楽天が支払った総額などについて楽天は、「いっさい申し上げられない」としながらも、「それほど人数も金額も多くはない。今回のことで業績予想を修正するようなことはあり得ない」と説明した。そして、「今後はキャンペーンの方法や楽天ポイントの付与の仕方などは見直していく」とした。

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