ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)の「MySpace」が音楽ビジネスの分野で強い影響力を持つようになっているが、同サイトのユーザーを奪おうと、バンドや音楽ファン向けに幅広い機能を提供する新たなサイトが登場してきている。
「TagWorld」は米国時間12日、独自の音楽サービスを立ち上げた。比較的新しく参入してきた同サイトは、「The Shins」や「Death Cab For Cutie」といった人気の高いインディーズのロックバンドの支援を受けている。TagWorldでは、MySpaceと同じく、バンドが楽曲を公開してファンと直接コミュニケーションをとれる場を提供しているが、同社はとくに曲を探して聴くことに関心のある層を中心にユーザーを集めたい考えだ。
TagWorldを開設したEvan Rifkinは、「MySpaceが最終形だとは思わない。これはSNSやオンライン音楽サイトのスタートに過ぎないと思っている」と述べている。
ただし、MySpaceがすでに確立した分野に乗り込み同サービスに対抗するには、タイミングが遅すぎるようにも思える。MySpaceは、GoogleやFlickrと並ぶ数少ないオンラインブランドの1つで、その名前自体が機能を表すにまでなっている。
しかしそのMySpace自体も、かつて同分野をリードしていた「Friendster」から王座を奪い、新しいバンドのプロモーションを目指すレコードレーベルにとって欠かせない場所になったという経緯がある。
実際、このコミュニティと音楽の融合は、第二次ウェブブームが起こりつつあるなかで、非常に有益なものであることが証明されつつある。
Friendsterも、楽曲やビデオコンテンツの追加を目指して数カ月前に、ピアツーピア(P2P)のマルチメディア共有サービス「Grouper Networks」と提携している。また、NapsterやYahoo、RealNetworkの「Rhapsody」といった音楽サブスクリプションサービスは、いずれもコミュニティと音楽ファイル共有機能の融合をセールスポイントとして売り込んでいる。
TagWorldは、深刻なIT恐怖症のユーザーでも使えるように、ドラッグ&ドロップで操作できるシンプルなインタフェースを採用しており、MySpaceの強化版のような雰囲気がある。ここでは、バンドが自分のホームページに好きなだけ楽曲をアップロードできるようになっており、またリスナーが異なるバンドのページから曲を選択してプレイリストを作成することもできる。
今のところ、この新サイトは集客用のバンドを用意してサービスを立ち上げているが、それだけで十分な関心が集まっているように思える。その価値のほどは不明だが、TagWorldに参加しているバンドの大半は、同12日時点ではまだMySpaceのページでも活動を続けている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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