学術研究用のInternet2ネットワークから映画や音楽を驚くような速さでダウンロードできるファイル交換ネットワークが閉鎖されることになった。これにより、エンターテインメント業界の法的圧力に屈した者がまた増えたことになる。
2004年初めに登場したi2Hubネットワークは複数の大学のキャンパス同士を接続した超高速/大容量なファイル交換ネットワークだ。学生らは、通常のインターネットとは比べ物にならない速度を誇る同ネットワークを利用して、さまざまなファイルを交換してきた。
同ネットワークは、法的議論の対象になりづらい教材コンテンツの交換や出会いの場としても利用されてきたが、著作権で保護されたコンテンツも交換されていたことから、レコード会社や映画会社からは法的訴訟のターゲットとされてきた。同ネットワークを使用した個人はすでに著作権を侵害したとして提訴されているほか、全米レコード協会(RIAA)は9月にi2Hubネットワーク自体を相手取った訴訟を起こすことを示唆している。
I2Hub創設者Wayne Changは法的な問題に差し障りがあるとしたうえで、同ネットワークの閉鎖に関するコメントを差し控えている。米国時間14日現在、同ウェブサイトには「R.I.P. 11.14.2005」という簡潔なメッセージだけが表示されている。
米最高裁判所が今夏、著作権侵害を奨励または「誘発」したPtoP企業は法的責任を逃れることができないとする裁定を下したことを受け、エンターテインメント業界の法的立場は一層強まった。
例えば、最も高い人気を誇るファイル交換ソフトウェアeDonkeyを配布するMetaMachineの幹部らは、eDonkeyを有料の音楽ダウンロードサービスに作りかえる予定だとしている。
また、最高裁で有罪判決を受けたファイル交換サービスのGroksterも先週、RIAAや米映画協会(MPAA)との和解に応じ、サイトを閉鎖している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力