Googleはもう古い。昔から、一夜にして爆発的な人気を獲得するインターネットの真のキラーアプリは、「Star Wars Kid」や「Numa Numa Dance」(「恋のマイヤヒー」にあわせて踊る若者を撮影したホームビデオ)といったアマチュアが制作した奇妙なビデオだった。
Revverと呼ばれる新会社が、これらのビデオのプロデューサーが自分たちの作品から収入を得るための方法を提供しようとしている。この会社は、ピアツーピア(PtoP)のFreenetを開発したIan Clarkeが設立に携わり、カリフォルニア州ロサンゼルスで米国時間10月31日に業務を開始した。
Revverは、ビデオ版Flickrともいうべきウェブサイトを開設し、運用を開始した。同サイトでは当初、だれでも自分が制作したビデオをオンライン公開できるようになり、視聴者はそれらに独自の説明やキーワードの「タグ」を付加して整理できるようになる。さらに、Revverには新しい特長がある。ビデオ本体にコードを挿入することで、ビデオがダウンロードされ、別のサイトから配信し直されても、再生の度に広告が挿入されるというものだ。
ClarkeとともにRevverの設立に携わったStephen Starrは、「これは、ネットで収益を得られない制作者らが自分たちの作品の対価を得られるようにするための配慮だ」と語っている。
Revverのモデルは、デジタルビデオをネット上で楽曲や写真並に利用しようという動きを早くもとらえている。このような動きには、デジタルビデオカメラの大々的な普及や、Apple ComputerのiTunesなどの各種サービスも一役買っている。
ここ数カ月の間、アマチュアとプロの両方がビデオを簡単にオンライン配信できる手段を提供するサービスが多数登場してきた。これらが対応する作品は、商用レベルから家庭用ビデオで撮影したネコの映像まで品質もさまざまだ。
また、これらの一部はPtoP技術を使ってダウンロードを高速化している。Kontiki創業者のMike Homerが運営するOpen Media Networkという非営利ネットワークは、公共放送コンテンツ向けに考えられたものだが、個人がビデオをアップロードすることもできる。非営利団体のParticipatory Cultureが立ち上げたDTVと呼ばれるサービスは、その配信プラットフォームにBitTorrent技術を利用している。
そのほか、YouTube.comなどは、人気の高いYahooのFlickrが写真で実現しているように、個人消費者にビデオ公開の場を提供することに重点を置いている。検索大手のGoogleも、ユーザーがビデオをアップロードしてビデオ検索エンジンでカタログ化できるようにしている。
しかし、広告を追加するという考えはこれまでにないものだ。
Revverの技術では、同社ウェブサイトにアップロードされたビデオにタグを追加する。この追加されたタグにより、同社は、ビデオの視聴を常に認識できる。この場合、ビデオが、ダウンロードされ、ファイル交換ネットワークや異なるウェブサイトを通じて配布されても、認識は可能となっている。
この技術により、Revverは、リアルタイムで広告をアップデートし、ファイルの使用頻度をトラッキングできる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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