iMeshの共同設立者Talmon Marcoは、2004年末に体験した恐怖の数分間に、カントリー歌手のGarth Brooksに自分の会社が潰されたと感じた。
当時Marcoはニューヨークに滞在し、米国時間10月25日にリリース予定の新しいPtoP音楽サービスiMesh向けのソフトウェアを披露していた。このソフトは、PtoPネットワーク上で、著作権で保護された事実上全ての楽曲を発見し、ダウンロードされるのを阻止するはずだった。しかし、この発表の席上で、無作為に選ばれたGarth Brooksの楽曲は、全く問題なくダウンロードできてしまったかのように見えた。
レコード会社EMI Groupの弁護団と共にカンファレンスルームに座っていたMarcoは、気持ちを引き締め、「再生」ボタンを押した。曲が始まると、確かにBrooksの声が聞こえてきた。しかし、曲はすぐにザーという雑音に遮られた。そのファイルは偽物、つまり海賊行為を防止するためにファイル交換ネットワーク上に仕込まれたものだった。つまり、本来Marcoのソフトのフィルターを通過しないはずの偽ファイルが、正常に通過していたことが判明したのだ。
MarcoはCNET News.comのインタビューに応じ、当時のことを「最悪の瞬間だった」と述べ、さらに「その時私は、『正常に機能しなくてはならない時に限って機能しないものだ』と思った」と付け加えた。
そのようなどん底に近い1年間を経た後、懐疑的だったレコード会社幹部がついに新生iMeshに満足したことを明らかにした。iMeshは25日に、新たなPtoPネットワークとして再開され、有料音楽サービスとして生まれ変わる。しかし、すでに無料で音楽を入手することに慣れている500万人のiMeshユーザーを同サービスにどのように取り込むかはさらに厄介な問題だ。
iMesh以外にも、いくつかの「レコード会社公認」のPtoPネットワークが、開発期間の大幅な遅れを経て、今年ようやく運用を開始するが、その中でiMeshがまず先陣を切る。他では、Groksterの元プレジデントWayne Rossoが設立したMashboxxも今年の秋に運用を開始する予定だ。
iMeshは、ファイル交換者の節度が試される真の試金石となるだろう。News.comの発行元であるCNET Networksが運営するソフト集約サイトDownload.comによると、先週だけで150万人以上の人が旧版iMeshソフトをダウンロードしたという。彼らの多くは、音楽/映像への無料アクセスを求めて同ソフトをダウンロードしたが、月額6ドル95セントの有料音楽サービスとして生まれ変わる新生iMeshの下では、コンテンツへの無料アクセスは大幅に制約されることになる。このiMeshの有料サービスは、YahooやNapsterが提供するサービスと多くの類似点を持つ。
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