YahooとMicrosoftが、両社のインスタントメッセージ(IM)サービスの相互乗り入れを実現する計画を発表した。アナリストによると、これは市場リーダーであるAmerica Online(AOL)の「AOL Instant Messenger(AIM)」に打撃を与え、新規参入したGoogleの進撃防止にもなるという。
YahooとMicrosoftは米国時間12日、「Yahoo Messenger」と「MSN Messenger」のユーザー間で、インスタントメッセージの交換、相手の接続状態確認、顔文字のやりとり、両サービスからの友人の登録、PC同士の音声通話が、2006年第2四半期から相互に可能になる、と語った。
YahooのCOO(最高業務執行責任者)、Dan Rosensweigは、ジャーナリストとの質疑応答のなかで、両社が「複数のパートナーと何年も前から」交渉を続けていたこと、そしてMicrosoftとYahooが「両社ともに消費者にとってのメリットを見いだし、何年も前から本格的な交渉を行っていた」ことを明らかにした。
友人が異なるIMプラットフォームを利用していることに悩むIMユーザーは多かった。この問題の解決方法で合意するまでかなりの時間を要した理由を聞かれたRosensweigは、「頭のなかでは早くから合意していた」と語った。
同氏によると、AOLのAIMやGoogleの「Google Talk」が乗り入れようとした場合、YahooとMicrosoftがそれを冷遇することはないという。だが両社は、まずは自分たちの2つのネットワークを組み合わせて技術問題を解決することに重点を置く必要があるとした。
「ユーザーにとってシームレスで使いやすいものにすることが目標だ」(Rosensweig)
多くのユーザーにとっては、1つのインタフェースで複数のIMプログラムを使える「Trillian」や「Fire」のようなマルチプロトコルのIMクライアントで十分シームレスに思える。だが、YahooとMSNはIMスパム(スピム)に対する事前対策と称して、サードパーティーのインテグレーターを締め出そうとしている。
YahooとMSNの合意内容は、コアの機能とPC間のみの音声通信に限定されている。Rosensweigは、「今回の合意では、いまのところPC間以外の音声通信は考慮していないが、導入が始まれば発信は検討することになる」と語っている。
調査会社Nielsen/NetRatingsによると、米国では、9月時点で5150万人のユーザーを抱えるAIMがインスタントメッセージングをほぼ独占しているのに対し、MSNは2730万人、そしてYahooは2190万人のユーザーを抱えているという。
一方、Microsoftのコーポレートバイスプレジデント(MSN Communications Service/Member Platform Group)Blake Irvingによると、米国外ではMSNとYahooがインスタントメッセージの分野を独占しているという。だが同氏は、マーケットシェアや正確な数字を明かさなかった。
YahooとMicrosoftは、両社のプログラムを合わせた顧客の数について、全世界合計で約2億7500万人に上るとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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