GoogleのCEO(最高経営責任者)Eric Schmidtは米国時間8日、アリゾナ州フェニックスで開催された「Association of National Advertisers」の年次総会で講演したが、そのなかで同氏は、全世界の情報をインデックス化し、これを検索可能にするには300年かかる可能性があるとの予測を示した。
Schmidtは、Googleが使命を果たすのに何年かかるかとの質問に対し、「われわれが計算してみたところ、300年という答えが出た。つまり、かなりの時間がかかる、というのが答えだ」と述べた。
同氏によると、全世界に存在する約500万テラバイトの情報のうち、これまでにインデックス化されたのは約170テラバイトに過ぎないという。
Schmidtは、聴衆の広告主らに対し、4年前のGoogle入社時には自分が懐疑的な消費者の視点から広告を眺めていたことを認めた。Googleサイト上に掲載された広告を目にして、同氏は「まさか冗談だろう。誰がこんなものをクリックするのか」と思ったという。
だが、すぐに同氏は、「適切な提示方法を見つけ出せれば、広告は実際に価値を持つ」ことに気付いたと述べた。
同氏によると、クリックする人数でインターネット広告の成功率を計算する技術などの登場により、広告業界では企業の経営陣から消費者へとパワーが移行しつつあるという。
「われわれではなく、エンドユーザーが力を持ちつつある。パーソナルコンピュータや携帯電話がその原動力となっている。30年前は、(広告に関する)判断を下すのはわれわれだった。ところが、今では個人がその判断を下すようになった」(Schmidt)
Schmidtによると、インターネットやケーブルテレビを通じた広告は増加しており、新聞や雑誌の広告は微増もしくは横ばいだという。「売上高あたりのコストは、オンライン広告配信システムのほうが、オフライン広告よりも大幅に低い」(Schmidt)
米国では推定で2830億ドルの広告費が使われているが、そのうちインターネット広告には113億ドルが流れており、Googleの売上は全体の約1%に過ぎないと、Schmidtは述べた。
紙媒体の広告は伸び率が減少傾向にあるが、Googleでは、自社のユーザー層を絞り込む技術を使いながら、顧客の雑誌広告掲載を支援するキャンペーンを試行している。
Schmidtは、インターネットと広告は切っても切れない関係が今後も続くとしながら、少額決済など別の何らかのコスト負担方法を採用した「広告のないサブセット」も考えられるとの予測を示した。
質疑応答では、聴衆のなかから社会的、倫理的、法的な話題に関する質問が出された。そのなかには、GoogleとYahooが、中国政府の検閲に協力したことに対する批判に言及したものもあったが、これに対してSchmidtは、「技術は中立であり、良い目的にも邪悪な目的にも応用できる。それでも、圧倒的に、技術は前向きなメッセージをもたらしている」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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