サイバーエージェントとサイボウズは10月4日、ビジネス向けのポータルサイト「cybozu.net」を共同で運営していくことを目的とした合弁会社「cybozu.net(仮称)」を設立することで基本合意した。
合弁会社は11月中にサイバーエージェント60%、サイボウズ40%の出資比率で設立する。出資額や資本金は未定だ。そして、2006年1月には、サイボウズが運営する2つのサイトを統合する。
1つは、サイボウズのグループウェアからリンクされているビジネスに役立つリンク集「サイボウズNET」で、もう1つは8月22日に開始したRSSリーダーとブログの機能がある紹介制のフィードポータルサイト「cybozu.net」だ。この2つを新たなcybozu.netとしてスタートさせ、3年後には主に広告収入で10億円の売り上げを目指す。
サイバーエージェントの代表取締役社長である藤田 晋氏は「全社員がサイボウズのグループウェアを使っていて、以前から『なにかサイボウズと組んでビジネスができないか』という社内での提案を何度も受けてきたが、ようやくそれが実現した」と背景を述べた。
サイボウズの代表取締役社長である青野慶久氏(左)と、サイバーエージェントの代表取締役社長である藤田 晋氏(右)は、互いが有する技術力と営業力を合わせて事業・収益機会の拡大を図る |
そして、同氏はサイバーエージェントが運営するインターネットメディアの登録会員メールアドレス数は3000万を有し、自社の調べではインターネット広告専門代理店として国内の売り上げがトップであることを示したうえで、「こうしたインターネットプロモーションの実績や集客力、販売力などのノウハウを活かしてサイボウズとメディアを立ち上げればすぐに効果が出て、ビジネス向けユーザー層を対象とした広告事業の売り上げの拡大が見込める」と豊富を語った。
この一方で、サイボウズの代表取締役社長である青野慶久氏は「8月にcybozu.netを開始する前から今回の話を進めてきた。それは、グループウェアでの実績はあるが、サイボウズNETを開設してはみたものの、自社だけではなかなかメディア化やビジネス化が進まなかったからだ」と経緯を説明した。
サイボウズは、イントラネット向けのグループウェアが売り上げの8割を占めており、200万人のユーザーを抱えて「あと数年でIBMのLotus Notes/Dominoを抜いて国内トップシェアになる」(青野氏)と言う。そして、サイボウズNETの1日あたりの利用者数は19万人を誇るものの「人が集まるだけでは収益にならない」(同氏)ので、サイバーエージェントと組むことを決めた。つまり、合弁で展開することで、広告メディア事業のスムーズな立ち上げと、早期の事業拡大、新しい収益源の確保が可能になるわけだ。
合弁会社は折半出資ではない。青野氏は「サイバーエージェント主導でやってもらった方が早期にうまく運ぶと考えたため、よりコミットしてもらったかたちだ」と説明した。サイボウズは、合弁会社のcybozu.netへメディア部分を譲渡し、ロイヤリティ収入を得るかたちを採るが、青野氏は「引き続きサイトの運営にも得意なツールやソフト、システムの面でかかわっていく」としている。
また、新生cybozu.netのサイトについては、「現在の2つのサイトを統合し、ビジネスに役立つ各種情報を提供していこうとは考えているが、まだ詳細は決まっていない」(青野氏)としながらも、藤田氏は「サイボウズのグループウェアがそうであるように、また大手検索サービスがいずれもインターフェースをパーソナルライズできるようにしていることと同様に、個人個人に合わせてカスタマイズして利用できるようなビジネスポータルサイトにしていきたい」とイメージを示した。
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