Sequoia Communicationsは、第3世代(3G)携帯電話のバッテリ寿命を約20%延長する新型無線チップを試験する予定だ。このチップにより、効率的な通信が可能になると同社では述べている。
SequoiaのSEQ-5400は、WCDMA/HSDPA/EDGE/GPRS/GSMの5種類の無線通信標準に対応するシングルチップのトランシーバだと、同社は米国時間19日に述べた。SEQ-5400は、信号の送信部と受信部を併せ持つ双方向の無線トランシーバである。
これまで携帯電話メーカーは、3Gなどの携帯電話においてマルチモード通信を実現するためには、トランシーバを4〜5個搭載する必要があった。これは、無線通信の標準規格同士では、情報の共有が一般的に難しかったからである。
理論上、携帯電話をシングルチップ化することで、携帯電話メーカーが負担するコストは低減され、携帯電話は低価格化する。これは、価格が理由で市場における販売数が伸び悩む3G携帯電話メーカーにとって、メリットとなる。
シングルチップのトランシーバであるSEQ-5400は2006年にも登場し、3G携帯電話のバッテリ寿命を最大20%引き伸ばすだろうと、Sequoiaでは述べている。同製品は、今後の世代において、最大50%までバッテリ寿命を延ばすことを目標としている。
「20〜50%ほどバッテリ寿命を延ばすというと、どんどん増えていると聞こえるし、実際そうである。しかし、3G携帯電話ユーザーにとって、バッテリ寿命は、長ければ長いほど良い」と、Current AnalysisのアナリストAvi Greengartは述べている。「また米国においては、CingularのみがSequoiaのチップを利用できるという点に注意すべきだ。なぜなら、CingularがGSMベースのサービスを提供する(北米での)唯一の通信キャリアだからだ。SprintとVerizonはCDMAを利用しているし、T-Mobileは3Gに必要な帯域幅を持ち合わせていない」とSequoiaは述べている。
Sequoiaによると、SEQ-5400は2006年前半にも出荷を予定している。
Sequoiaは2000年の創業以来、設計作業に従事していたが、脚光を浴び始めたところだと同社では説明する。最高経営責任者(CEO)のDave Shepardと最高技術責任者(CTO)John Groeは無線技術開発のために、Texas InstrumentsやNokiaでの勤務経験を持つエンジニアでチームを構成している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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