オンライン小売業者が高騰する原油価格に不安を抱き始めており、一部には送料の負担が増大する企業もでてきた。
食料雑貨品を販売するPeapodでは、いまのところ送料を据え置いているものの、原油価格の動向には細心の注意を払っているという。同社の広報Elana Margolisは、「これまでのところ、(値上げせずに)乗り切っている」と述べた。
もちろん、一時的な原油価格の高騰が、そのままガソリンの小売価格に跳ね返るとは限らない。しかし、1バレルあたりの価格はこの5年間でじりじりと上昇し、昨年秋には大幅に跳ね上がった。このため、eコマースサイトの運営企業が利用する運送業者は、送料を値上げすることでこの価格上昇に対応した。例えば、 UPSでは、2004年第2四半期からの1年間に、燃料価格が45.3パーセント上昇したと述べている。
FedExとUPSは、どちらも燃料費の名目で追加料金を通常の送料に上乗せしている。FedEx広報担当のDarcie Goodwinによると、同社では石油ジェット燃料1ガロンの米国湾岸原油価格の平均をベースに、月単位で調整しているという。これは、顧客が燃料料金の変化に対応し、予測および計画を立てることができるようにするための措置であると、同氏は説明した。
両社は現在、陸路運送について、2.75パーセントの燃料費を上乗せしている。航空貨物については、FedExが12.5パーセントの追加料金を上乗せしているのに対し、UPSは最大でも9.5パーセントとし、当面はそれ以上の値上げはしない方針だという。
大手の小売サイトの場合は、こうした値上げに対して、特別料金引き下げの交渉をするだけの力があるのかもしれない。ニューヨークにある写真/電子機器の販売会社B&H Photo-VideoのHenry Posnerは、「顧客のトラフィックに変化はなく、仕入れ費用および商品を顧客に届けるための費用にも、何ら変りはない」と述べている。
B&Hでは、USPを優先的に利用する運送会社に指定しているため、「非常に親切な対応をしてくれている」とPosnerは述べている。
ニューヨークにある別の大手小売企業J&R Music Worldのセールズ・マネージャーKenny Scottも、値上げを回避することができたと述べている。
しかし、最大手の企業各社でさえ、原油価格の上昇圧力を免れられるとは限らない。世界最大の小売チェーンであるWal-Mart Storesは先週、石油価格の上昇により第3四半期の業績が予想を下回ることを明らかにした。また4月にはBest Buyが、燃料費上昇により顧客来店数が減少したと発表していた。さらに、Drugstore.comも3月に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類のなかで利益減少の可能性について触れていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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