ある新興企業が、革新的なビジネスコンタクト情報データベースを構築した。このデータベースは、営業担当者による利用を想定して、ユーザーによって作成されたものだ。人気書籍「The Wisdom of Crowds」から着想を得たという同社は、民間企業に関する貴重なデータを提供するよう、ユーザーに呼びかけている。
カリフォルニア州サンマテオを本拠地とするJigsaw Dataは2004年以来、120万人分以上のビジネスコンタクト情報データベースを構築してきた。すべてのデータは、同社のメンバーにより提供および精査されたものだ。 Jigsawのメンバーは、月額25ドルを支払うか、25名分の情報(氏名、電話番号、役職、電子メールアドレス等)を提供すると、これらのデータにアクセスすることができる。この方法により、Jigsawは、データベースの内容と収益をともに拡大させる構えだ。 従業員28名のJigsawは、多くの営業担当者から知られるようになり、Dun & Bradstreet、Hoover's、Harte-Hanksなど大手データ会社に代わる選択肢となりつつある。これらの企業が提供するデータベースにアクセスするには、1000ドル以上かかる。そのため、Jigsawユーザーの目には、同社が全く別分野のプレイヤーであるように映っていることだろう。Jigsawが提供する、米国内や海外の企業幹部に関する正確かつ最新のコンタクト情報を利用するユーザーは1万7000人にものぼる。 「Jigsawは、目のつけどころが非常に良い」とEndeca Technologiesでセールスオペレーション担当ディレクターを務めるEmmanuelle Skalaは述べる。「Jigsawの良い点は、情報を提供する側も、何らかの見返りがあると分かっている点だ」(Skala) これまで、Jigsawは個人に関する情報だけを提供してきた。しかし、知名度が向上し、企業としての信頼を獲得した今、同社では、大手の競合企業との差別化を図る必要性を感じている。 その一環として、Jigsawは、自社の財産(メンバーと、メンバーがもつ取引先企業に対する洞察)に注目し、民間企業の売上や従業員数など、営業担当者にとって不可欠ながら、場合によって入手の難しい情報をメンバーに提供してもらうことにした。 「われわれは、(メンバーの)コミュニティを持っている。メンバーが、組織の目であり耳であることに、われわれは気が付いた」とJigsawの最高経営責任者(CEO)Jim Fowlerは述べた。「彼らは、企業にじかに触れ、誰にも真似できない方法でその企業について学んでいる」(Fowler) Fowlerによると、James Surowieckiのヒット本であり、個人よりもグループの意見を集約した知の集合体の方が優れているとした「The Wisdom of Crowds」を読み、こうしたビジネスの着想を得たという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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