かつてある電子メール配信業者が所有していたフル装備の4輪駆動車「Hummer H2」や10万ドル相当の金の延べ棒や現金を、AOLが手放そうとしている。これは一体、どういうことなのか?
これらの商品には、AOL会員だけでなく、一般のインターネットユーザーも応募することができる。当選者は迷惑メールを取り締まる「CAN-SPAM法」に感謝すべきだ。
同法の下、インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、迷惑メール業者に対し、法的手段に出ることが認められている。また、有罪判決を受けたメール配信業者が違法行為を通して得た資金で入手した資産を、裁判所が押収することも同法では認められている。不法な目的で使用された機器、ソフトウェアやテクノロジーなども押収の対象となる。
AOLは、CAN-SPAM法に基づいて初めて起こした訴訟で、メール配信業者と和解した際に、今回の物品を手に入れた。
米国時間8月10日から19日までの間、インターネットユーザーは、これらの物品にオンラインで応募できる。当選者は応募期間の終了直後に発表される。
AOLは数カ月におよぶ調査を行い、2004年3月にニューハンプシャー在住のある人物を提訴した。同社によると、この人物は40台のコンピュータを使って、ダイエット食品や性機能障害治療薬などの商品を電子メールで宣伝する仕事に就いていたという。AOLは、またアレキサンドリアにあるバージニア東部地区米連邦地裁が、この人物と組んでいた暴力団に対し、罰金1300万ドルの支払いを命じたとも述べた。
AOLは、この問題を解決できたのは、同社が設けた「スパム報告ボタン」をクリックし、苦情を訴えた会員の協力によるものだと述べた。 また、スパム対策フィルタの導入が奏功し、AOLのサーバに送信される迷惑メールの数が、2003年後半のピーク時に比べ、85%以上も減少したと、同社はいう。
「押収した商品を提供するのは会員に対する感謝の気持を表すためだけではない。AOL会員にスパムを送りつけて生計を立てようと考えている者に対する警告メッセージでもある。われわれは犯人を必ず見つけ出し、提訴する」と同社は声明のなかで述べた。
AOLは2004年の春にも、バージニア州のスパム対策法に基づいて、スパム業者を相手取った訴訟を起こし、この業者が所有していたポルシェを入手している。このポルシェはAOL会員にプレゼントされたと同社広報担当のNicholas Grahamは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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