カリフォルニア州パロアルト発--インターネットを支える通信プロトコルを開発者したVint Cerfは、世の中に既にインターネットが存在し、自分も若かったなら、今頃は宇宙に目を向けていただろうと語った。
Cerfはしばしば「インターネットの父」の一人に数えられる人物で、現在62歳。同氏は米国時間28日、もしも今自分が30歳だったら、宇宙でのネットワーク通信に目を向けていただろうと述べた。1973年、スタンフォード大学の助教授で米国防総省国防高等研究事業局(DARPA)に所属する科学者でもあった同氏は、軍事用に、現在のインターネットの基礎であるTCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を共同開発した。
「今ならば、惑星間の事柄について研究していたと思う」。現在MCIで技術戦略担当のバイスプレジデントを務めるCerfは、当地で開催されたスタンフォード大学工学部主催の「Internet: Today and Tomorrow」の基調講演の中で、こう語った。
同氏は、継続的な接続性が維持できないであろう深宇宙での通信のために、新しいプロトコルを開発するプロジェクトについて言及した。
また同氏は、生体電子工学の分野の研究へも関心を示した。彼は人間の生活を変えるデバイスの開発を手伝いたいのだという。Cerfは、聴覚に障害をもつ妻が人口内耳を装用するようになってから、彼女の生活が改善したことから、この分野に特別な関心を持っている。生体電子工学の分野では、例えば何らかの障害をもつ人を支援するためなどに、脳内のニューロンに電気的刺激を与えることができる電気機器の開発が行われている。
質疑応答の中でCerfは、TCP/IPに関する彼の初期の研究について、またXeroxのPalo Alto Research Centerが開発した別の通信プロトコルPUP(PARC Universal Packet)の影響を受けたのかどうかについて尋ねられた。Cerfは、Xeroxの開発は非公開であるためその直接的な影響を受けたことはないと答え、むしろ、PARCのメンバーたちが、Cerfと彼の共同開発者のBob Kahnに高速パケット通信で起こりうる問題についてアドバイスをくれたと語った。
「PARCは自分たちの経験に基づくヒントを与えてくれた」と、Cerfは実際にPARCの初期のメンバーたちが入り混じる聴衆を前に語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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