ネットエイジグループでRSS広告事業を行うRSS広告社は6月20日、リクルートとサイバー・コミュニケーションズ(CCI)と資本・業務提携で合意した。
RSS広告社は、資本金が1000万円でネットエイジグループの投資事業会社であるネットエイジキャピタルパートナーズの100%出資で4月20日に設立された。6月末までに発行済株式総数の21%に相当する第三者割り当て増資を実施し、リクルートとCCIがそれぞれ、同10.5%にあたる1600万円ずつ引き受ける。これに伴い、CCIからRSS広告社に社外取締役を1名派遣する。
RSS広告社は、RSSフィードを利用してブログのエントリーやRSSリーダーごとにコンテンツマッチ広告を配信するRSS広告事業の本格展開を準備している。
今回の資本業務提携によって、リクルートは広告主としてRSS広告社の配信サービスを利用するほか、コンテンツマッチ技術やノウハウをマーケティング活動に応用していくことを検討する。また、電通とソフトバンクが出資しているCCIは、広告を掲載する300を超えるメディアに対して新しい収益源としてRSS広告を提案していく。
RSS広告社としては今回の資本業務提携により、早期のサービス開始に向けて、大口広告主やメディアの開拓において大きく前進した形だ。
サービス開始で豊富を語るRSS広告社の代表取締役である田中弦氏 |
RSS広告社の代表取締役社長の田中弦氏は、6月20日に開催されたイベント「CNET Japan lnnovation Conference 2005 Summer〜ネットのエマージングサービス −サーチ、ブログ、RSS最新動向−」で登壇し、「これまでは種を蒔く状態だったが、いよいよ本日から正式にサービスを開始する。リクルートとCCIという強力なパートナーを得て、一気に芽を出すことができたという感触だ」と意気込んだ。そして、「日本ではコンテンツマッチ広告のプレーヤーがまだまだ少ないうえに、RSSフィードを利用した広告はまったくの未開市場だ。この分野のパイオニアとしてナンバーワンのポジションをいち早く築きたい」と抱負を語った。
同社では6月以来、ネットエイジが運営しているブログ検索・ランキングサイト「BLOGNAVI」のRSSで広告の配信を実験的に行い、コンテンツマッチ精度の向上などシステムの開発を詰めてきた。これまでのコンテンツマッチ広告は、関連性の高い文字広告を自動挿入する形で、あくまでもウェブページ単位でまるごと解析していた。「これでは、たとえばグルメ関係の記事と仕事の記事とプライベートの記事が1ページに混在していると、かならずしも内容に合致した広告が配信されないケースがあった。これを、RSSフィードで記事単位に解析すれば、グルメ関連の記事にはグルメ関連の広告といった具合に、より関連性の高い広告を配信できる」(田中氏)というわけだ。
広告主としては、提携したリクルート以外にも10社以上の広告代理店を通じて人材や旅行、中古車をはじめ、生命・自動車保険などの分野で引き合いが強く、すでに1万ワード以上の広告が販売済みだ。また、広告を掲載するメディアもAOLダイアリーやcybozu.net、RBB TODAY、Response.、グリー、チャンネル北国tv、トラベルブログなど、7社以上が参加を表明している。このほかにも、METAMiX!など、月間ページビューが100万ページビュー以上の個人サイトも10サイト以上と提携している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」