WinMXなどの利用経験者400万人超、交換ファイル数は急増

藤本京子(編集部)2005年05月31日 20時18分

 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と日本レコード協会(RIAJ)は5月31日、総務省「権利クリアランス実証実験」の一環として実施した日本国内における「ファイル交換ソフトの利用実態」に関するアンケート調査の結果を発表した。アンケートの実施時期は2005年1月14日から18日までで、有効回収数は2万6133人となっている。

 同調査によると、ファイル交換ソフトの利用者はほぼ横ばいながら、利用者1人あたりのダウンロードファイル数は大幅に増加していることがわかった。

 調査時点でファイル交換ソフトを「現在利用している」人の割合は全体の2.7%で、「過去に利用経験がある」人は6.3%ということがわかった。2004年4月に行った同様の調査では「現在利用している」が2.8%、「過去に利用経験がある」が4.3%となっており、現在利用していると答えた人の割合に大きな変化はない。

 「現在利用している」人が使ったことのあるファイル交換ソフトとして挙げたのは、「WinMX」が69.8%、「Winny」が49.8%の順であり、国内では主にこの2つのソフトの利用者が多いことがよくわかる(グラフ1)。

グラフ1:利用したことのあるファイル交換ソフト
出典:ACCS、RIAJ

 利用するソフトの割合をコンテンツの種類別に見るとグラフ2のようになっており、映像関連ファイルやソフトウェアのダウンロードについてはWinnyの利用される割合が高いといえる。

グラフ2:ダウンロードに利用するファイル交換ソフトの種類
出典:ACCS、RIAJ

 ファイル交換ソフトを現在利用している人が過去1年間にダウンロードしたファイル数は、1人あたり平均236ファイルとなった。2004年4月の調査ではこの数字が平均137ファイルとなっており、99ファイル(72%)増加したことになる。コンテンツの種類別による平均ダウンロード数は、音楽関連が95.2ファイル、映像関連が90.5ファイル、写真関連が40.6ファイル、ソフトウェアが5.2ファイル、文書関連が4.8ファイルの順だ。2004年4月と比較した場合、音楽関連ファイルが49.6ファイルから95.2ファイルに、映像関連ファイルが63.0ファイルから90.5ファイルに増加し、こうしたファイルのダウンロードが増加していることがわかる。

 また、他人にファイルを送信できる状態にする「ファイル共有」については、ファイル交換ソフトを現在利用している人の35.5%が経験している。他のユーザーと共有しているファイル数の平均は166ファイルで、その内訳は音楽関連が69.3ファイル、映像関連が52.9ファイル、ソフトウェア関連が10.6ファイル、写真関連が9.4ファイル、文書関連が3.9ファイルの順となっている。

 2005年1月に総務省から発表された「ブロードバンド契約数等の推移」によると、インターネットの利用者数は4718万9000人となっている。この数字を今回の結果に当てはめると、ファイル交換ソフトの現在利用者数は約127万4000人、過去利用経験者数は約297万3000人となり、現在利用者と利用経験者を合計すると400万人以上がファイル交換ソフトを利用したことになる。

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