[ニュース解説] Googleの描く未来像はライバル各社にあまりにも似すぎていないだろうか。
同社はここ数カ月のあいだに、いくつかの新しい機能を追加し、拡大する野望を実現しようとしてきたが、米国時間20日に発表された最新の機能は、ユーザーがGoogleのホームページを自分の好みにあわせてカスタマイズできるようにするものだ。これは、Yahooが提供するポータルページ「My Yahoo」に直接対抗するものといえる。だが、Googleがこうした機能を追加するなかで、同社のオンラインにおける顔はライバル各社のウェブポータルにますます似てきている。
Googleの幹部らは、自社の方向性に対するライバル各社の影響を否定しているが、業界の観測筋は同社の個性が変わりつつあるとの点で意見が一致している。ネット広告獲得をめぐる戦いにおいて、Googleと競合ウェブポータル各社との違いは曖昧になりつつある。
「(Googleが)なんと言おうと、彼らはウェブポータル分野に進出しつつある」というのは、GartnerアナリストのAllen Weiner。「彼らはYahooに照準をピタリと合わせている」と同氏は述べている。
ComScore Media Metrixによると、現在ウェブポータル分野で首位をいくのはYahooで、4月にはおよそ1億1500万ユニークビジターが同社のウェブサイトにアクセスしたという。そして、その後にMicrosoftのMSNとAmerica Online(AOL)が続いている。Googleは先月7800万ユニークビジターを記録して4番目に付けているが、ただし検索クエリや広告のクリックスルーの数では首位に立っている。
今回のGoogleの動きに対し、Yahooはポータル分野における自社の実績を改めて指摘した。
「My Yahooは、世界一のパーソナライズ可能なウェブページだ。われわれは、My Yahooを9年前に立ち上げ、昨年にはパーソナライゼーションの内容を見直して、ウェブ全体にある数百万種類のコンテンツ供給源にアクセスできるようにした」と、Yahooの関係者は声明のなかで述べている。
Googleは「パーソナライゼーション」分野では、まず他社に追いつく必要があると、アナリストらは指摘する。ベータ版が公開されている同社のホームページツールには、My Yahooなどのポータルサイトにみられる多くの優れた機能が欠けており、たとえば株式関連ニュースなどは、ライバル各社より数も少なく、また詳細さでも劣っている。
Googleの幹部らは、このような比較を一蹴した。同社GoogleのバイスプレジデントMarissa Mayerは、My Yahooにはここ何年もアクセスしていないという。今回発表されたホームページの開発チームと緊密に連携してきた同氏は、Googleがポータルを構築中だとする噂も否定した。
「われわれは、このホームページを、塀で囲まれた庭園--つまりウェブへと続く素晴らしい入り口にしたいと考えている」(Mayer)
この動きの背後に、広告主のための楽園作りという考えがあることは確実だと、アナリストは述べている。
Googleは現在、自社のホームページには広告を載せていないが、これらのページは最高の広告スペースになる可能性が高い。広告主にとっての魅力は、いうまでもなく、ユーザーの好みや選んだコンテンツのタイプに応じて広告を打てるところだ。
Jupiter ResearchアナリストのDavid Schatskyは、「これが成功すれば、Yahooのビジネスをある程度奪うことができる」と語っている。
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