RealNetworksは米国時間26日、Apple ComputerのiTunesに奪われたシェアの奪回を目指し、同社のデジタル音楽配信サービス「Rhapsody」の内容を一新した。
RealNetworksは今回Microsoftの技術を採用し、楽曲を一部のMP3プレイヤーに転送できるようにした。Rhapsodyのようなサブスクリプションサービスは、ほとんどがつい最近までコンピュータから携帯型音楽プレイヤーへの楽曲転送を認めていなかった。
また、RealNetworksはコスト意識の高いデジタル音楽初心者にも手をさしのべ、1カ月に25曲まで無料で試聴できるサービスも提供し始めた。
「Rhapsodyを1度体験し、友人と一緒に楽しめば、多くのユーザーがアップグレードしてくれると思う」と、RealNetworksのCEO、Rob Glaserは声明のなかで述べている。「業界とユーザーの双方にメリットのある革新的なアプローチ実現のために密接に協力してくれた音楽業界の多くのパートナーに感謝したい」(Glaser)
同社にとって、この新サービスに対するユーザーの反応は非常に重要だ。同社は、インターネット上でのマルチメディアビジネスの重点を楽曲配信とダウンロードゲームへ移しており、Rhapsodyを両ビジネスの中心に据えようとしている。
音楽分野で大きな賭けに出ているのは、RealNetworksだけではない。Appleも、iPodの売上拡大で業績が大きく改善しているが、この一因としてはiTunes Music Store(iTMS)の成功も挙げられる。またソフトウェアベンダーのRoxioも昨年、オンライン音楽関連以外のすべてのビジネスを売却するとともに、社名もNapsterへと変更して、音楽ビジネスに専念しようとしている。
RealNetworksは今回初めてRhapsodyのプログラムに大幅な変更を加えた。同社は2003年4月に、サンフランシスコのListen.comと一緒にRhapsodyを買収した。それ以来、このビジネスは着実な成長を遂げ、先週には同音楽配信サービスの加入者が100万人に達したことを発表した。このサービスには質の高いインターネットラジオサービスも含まれている。
Rhapsodyの前バージョンは、大喝采は浴びたものの、機能面でほかのサービスより見劣りする部分があった。Rhapsodyはストリーミングメディア技術をベースにしていることから、コンピュータを常時インターネットに接続しておかなければならなかった。これに対し、競合するNapsterやMicrosoftのサブスクリプションサービスでは、楽曲をダウンロードし、オフラインで再生することが可能だった。
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