RealNetworksは米国時間5日、同社のデジタルオーディオ・ビデオ再生ソフトの最新版となるRealPlayer 10をリリースした。今回のアップデートで、同ソフトは主要なコンテンツフォーマットやオンライン音楽ダウンロードサービスをすべてサポートするようになった。
RealPlayer 10では、MicrosoftのWindows MediaフォーマットやApple ComputerのiTunes音楽サービスをはじめとする、ライバルメーカー各社が開発したすべてのコンテンツ配信システムを利用できるようになっている。こうした柔軟性が、競合する音楽配信サービスやソフトウェアとの差別化に役立つと、RealNetworksでは期待している。
RealNetworksは、今年1月にラスべガスで開催された「Consumer Electronics Show」で、同ソフトのテスト版を初めて披露した。同社は自社ウェブサイトを通して北米、ヨーロッパ、日本のユーザーにRealPlayer 10を無料で配布している。
RealPlayer 10で強化された点としては、このほかに北米ユーザー向けに同社が提供するRhapsody音楽ダウンロードサービスとの統合が改善されたこと、早送りと巻戻しコントロールボタンが再設計されたこと、さらにサポートする携帯音楽プレイヤーの数が増えたことなどがあげられる。
今回の製品発表は、RealNetworksにとって重要な時期に行われた。同社は米国時間7日、先頃欧州委員会がMicrosoftに対して下した裁定を評価し、この裁定がMicrosoftに対する同社の訴訟の追い風になると述べた。
またRealNetworksはデファクトになることを目指し、モバイル機器向けメディア再生ソフトの提供にも力を入れている。ワイヤレスネットワークを通してコンテンツを配信するために、機器メーカーや通信事業者と重要な契約を結んでいる。同社は、すでに約26社の通信事業者と契約を結び、同社のデジタルメディアテクノロジーを携帯電話機に直接組み込むための契約もいくつかまとめている。
しかし、競争が厳しいことに変わりはない。Microsoftは、ユーザーが簡単にオーディオ/ビデオクリップを保存・整理・検索できる技術の開発に取り組んでいる。次期Windows「Longhorn」に搭載予定のストレージ機能にベースにしたこのツールで、MicrosoftはRealNetworksやAppleなどの競合各社に対して決定的な優位性を手に入れる可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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