米国では過去4年間で大学進学者がコンピュータ科学を敬遠する傾向が強まっており、特に女子学生の間ではこの傾向が著しい。
これは、Computing Research Association(CRA)が新たに発表した報告の趣旨だ。CRAは学術機関や研究センターなどがつくる横断的なグループ。
特にインドや中国などの台頭を前に、米国が情報技術分野で優位性を失っているとの懸念が広がっているが、今回発表された調査結果によってこの懸念がさらに高まる可能性がある。米国人の間でコンピュータ科学への関心が低下している要因としては、ドットコムバブルの崩壊や海外アウトソーシングの増加などが挙げられている。
このレポートは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の高等教育研究所が行った調査結果を引用しているが、それによるとコンピュータ科学を専攻すると回答した大学新入生の割合は、2000年秋から2004年秋の間に60パーセント以上減少したという。また、この割合はピーク時の1980年代前半と比較すると、70パーセントも減少している。
女子学生のあいだでのコンピュータ科学に対する関心は、1998年から2004年の間に80パーセントも低下。1982年のピーク時との比較では93パーセント減となっている。この調査結果は、Computing Research Newsの5月版に掲載される予定だ。
さらに、昨年秋にコンピュータ科学を専攻したいと回答した新入生は、全体のわずか1.5パーセントだった。これに対して、1982年には全体の約5パーセントがコンピュータ科学を専攻することに関心を示していたという。
「どの時代も、新入生が示す関心の度合いで、4、5年後に授与される学位の数の傾向を正確に予測することができる。このことから、今後10年でコンピュータ科学の学士号を取得する学生数の数が激減すると思われる」(同研究)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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