米国レコード協会(RIAA)は、超高速ネットワーク「Internet2」を使ってファイル交換を行っていたとして、あわせて18の大学に在籍する学生を訴えた。
米国時間13日に受理されたこの訴えは、各大学が共同で運営する次世代研究用ネットワークをめぐる初の訴訟となる。この「i2Hub」というファイル交換サービスは、1年前からInternet2に接続しているキャンパスネットワーク上で使われていた。
音楽業界の幹部らによると、学生たちがファイルを交換しても気づかれないと思い込んでいたために、i2Hubは時間が経つにつれて深刻な問題になったという。
「i2Hubは安全な隠れ場所とみなされている。われわれの目的はこの誤った認識を正すことだ。研究目的でつくられたInternet2をファイル交換に悪用するのは、元々の趣旨に反する」とRIAA会長のCary Shermanは述べた。
今回の訴訟は、1999年前半に出現したNapster以来、ファイル交換の中心となっている大学への音楽業界からのアプローチが大幅に拡大されたことを意味する。
RIAAは、3つの大学でファイルス交換ネットワークの運営者をすでに訴えており、音楽ファイルの交換者に対する大規模な取締りの一環として、大学に対する訴訟をいつも強調してきた。
各音楽会社は学生がPtoPネットワークに向かわないように、Napster、RealNetworksのRhapsody、CdigixやRuckusに、割安で合法的なサブスクリプションサービスを提供することを認めている。
i2Hubは、マサチューセッツ大学の学生だったWayne Changが興した会社が運営している。同社は、Internet2ネットワークで接続された2つの大学の学生が、電子メールやウェブの閲覧、PtoPによるファイル交換を行う際にデフォルトで高速なInternet2を使うことができる機能を利用している。つまり、Internet2につながる大学の学生同士がファイルを交換すると、通常のインターネットではなく、自動的に高速ネットワークを経由することになる。
これはつまり、音楽やビデオが超高速でダウンロードできることを意味する。そのため、最適な条件下では長編映画がわずか数分、平均的な楽曲でも20秒しかかからない。
RIAAは、この訴訟の対象は以下の18大学に在籍する25人の学生だけだと述べた。ボストン大学、カーネギーメロン大学、コロンビア大学、ドレクセル大学、ジョージア工科大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ミシガン州立大学、ニューヨーク大学、オハイオ州立大学、プリンストン大学、レンセラー工科大学、ロチェスター工科大学、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学サンディエゴ校、マサチューセッツ大学アムハースト校、ピッツバーグ大学、南カリフォルニア大学。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス