カリフォルニア州サンノゼ発--Apple Computerが同社の企業秘密を流出させたとして3つのMacファンサイトを訴えていた裁判で、それぞれの弁護士が米国時間4日に当地の裁判所に出廷した。この裁判の結果は、オンラインジャーナリズムの将来や定義など、幅広い事柄に影響を及ぼすと考えられている。
これら3つのサイトはMacの話題を中心に扱っており、Appleの未発表製品に関する詳細な情報を公開した。これに対し、Appleは各サイトの電子メールプロバイダーに対して召喚状を出す許可を求めている。同社は、当該情報は盗み出されたもので、これを流出させた社員を提訴する意向だが、ただし犯人を特定するには各ウェブサイトから情報提供が必要だとしている。
カリフォルニア州裁判所判事は3日夜、Appleが各ウェブサイトのISPに当該情報を請求する権利を認める仮決定を出した。だが、判事は4日の審問で最終的な判決を下さなかった。
提訴されたMacファンサイト側の代理人を務めるElectronic Frontier Foundation(EFF)の弁護士は、各サイトに情報源の公開を強制する権利や、その電子メールプロバイダーに電子メールの記録を渡すよう強制する権利をAppleに与えれば、ジャーナリストの取材能力に大きなダメージを与えることになると述べている。
「Appleは、業務機密は報道特権の対象外だと主張している。だが、業務機密が対象外であるなら、ビジネス分野を扱う記者は電子メールで情報を受け取るたびに裁判の心配をしなくてはならなくなる」と、EFFの弁護士Kurt Opsahlは述べた。
自社製品の発売情報を極めて厳しく規制しようとするAppleのやり方とは別に、今回の訴訟には、ジャーナリストには未公開の企業情報をどこまで公表できる権利があるのか、そしてデジタルメディア時代のジャーナリズムとは何か、という幅広い問題が関わっている。
EFFの弁護士らは、当事者であるPowerPage、Apple Insider、ThinkSecretの3サイトはいずれも多くの読者層を持ち、情報配信元としての実績があると主張。しかし、Apple側の弁護士は各サイトの編集者らを「えせ」ジャーナリストだとし、これらのウェブサイトに対して従来の報道陣と同等の保護を与えるべきかどうかに疑問を呈している。
「各サイトにジャーナリズムは存在しない。彼らは盗んだ情報をそのまま横流ししていただけに過ぎない」と、Apple側の弁護士であるGeorge Rileyは法廷でそう主張した。
4日の審問は、この裁判の準備段階に過ぎない。Appleは情報を流出させた人間の身元を割り出そうとしており、ウェブサイトとそのISPに対する召喚状送付は、それを突きとめる唯一の手段だとしている。
James Kleinberg判事は、両者の意見を検討し、早急に判断を下すと述べた。また、両者の弁護士らは、来週前半までには判決が出るとみていると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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