MP3tunesは米国時間9日、デジタル音楽配信サービスを提供開始した。同社は、独立系アーティストの楽曲を中心に、30万曲にのぼる作品を1曲88セントで販売している。
すでに報道されている通り、MP3tunesのサービスは、LinuxベンダーのLinspireとVoIPサービス企業のSIPphoneの両社でCEOを務めるMichael Robertsonによって考案されたものだ。
1997年にRobertsonが立ち上げたMP3.comは、オンラインにおけるデジタル音楽ビジネスの発展に貢献した。MP3tunesによると、同社のサービスは、オペレーティングシステム(OS)に関係なく、どんなPCや音楽プレイヤーにも対応するという。また、ユーザーは「Music Locker」サービスを利用して、購入した音楽ファイルを同社のウェブサイト上に永久に保存することもできる。
何かと話題をふりまくRobertsonだが、最近は、MicrosoftがLindowsの名称差し止めを求めて起こした裁判のニュースで登場することが多かった。Lindowsはその後、Linux OSの製品名や社名をLinspireに変更している。同氏はMP3tunesについて、Linuxユーザーに照準を定め、楽曲をデジタル著作権管理(DRM)技術で保護しないという点において、Apple ComputerのiTunesとは一線を画するものだと述べる。
iTunesなどのサイトで販売される楽曲ファイルには、DRM技術が施されている。音楽業界からの要望に沿って楽曲を違法コピーから保護するためだ。
Robertsonによると、MP3Tunesはまた、Linuxベースの「音楽専用機器」もリリースする予定だという。ユーザーは音楽専用機器に保存した楽曲を他の機器を使って聴けるようなるという。
Robertsonは声明のなかで「音楽ビジネス全体に占めるデジタル音楽販売の割合は2%未満だ。これは、多くのユーザーが、楽曲を購入しているのでなく、対応するソフトやコンピュータ、携帯プレイヤーを制限している大企業から借りているに過ぎないと分かっているからだ。MP3tunesで販売される楽曲は、どのコンピュータやMP3プレイヤーでも再生可能だ。そのため、われわれはユーザーにより多くの価値を提供できる」と述べた。
あらゆる機器に対応する音楽配信サービスを提供することによって、Robertsonはあまりオープンでないアプローチをとっているダウンロードサイトに戦いを挑む。ユーザーはこれまで、オンライン音楽配信サービスを利用する前に、自分のMP3プレイヤーで再生可能な楽曲が販売されているのかを確かめなければならなかった。例えば、MicrosoftのMSN Musicサービスで買った楽曲は、そのままではAppleのiPodで再生できない。
Robertsonは、同社の戦略がより「ユーザーフレンドリー」なものとして広く受け入れられるだろうと期待している。また同社の戦略により、短期間のうちにデジタル音楽販売が3倍に成長する可能性があるとRobertsonは述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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