MSNで得られる検索結果の大半は現在、YahooのInktomiエンジンに基づいて提供されている。しかし、自社製ウェブ検索エンジンのテストを進めるMicrosoftは、年内にも検索関連の全サービスで自社技術を利用し始める計画だ。
Microsoftによる自社開発技術の採用は、大きな意味をもつ。同社は今後、外部ベンダに依存しなくてもサービスを提供できるようになるだけでなく、GoogleやYahooからのユーザー奪取を目指して積極的なキャンペーンを展開するものと考えられるためだ。
MSN Searchの幹部であるOshoma Momohは、「われわれは、ベータ版の機能強化を進め、より多くのユーザーに利用してもらう計画だ。今後、何回かに分けて機能向上を図っていく」と今週付けのBlogに書いている。
Microsoft関係者は、自社検索技術の強化を図っていることを認めたが、MSNで行われている検索のどれくらいが自社技術で処理されているかについては明らかにしなかった。
MSNは、ライバル企業から既にシェアを奪いつつある。ComScore Networksによると、MSNの昨年11月時点での市場シェアは16.5%で、前月の15.8%から増加しているという。なお、同期間におけるGoogleのシェアは、34.8%から34.4%へと減少している。
さらに、Keynote Systemsは先週、検索エンジン利用者の間で最も人気の高いサービスは依然としてGoogleであるものの、特定のクエリーに対してGoogle、Yahoo、MSNが返す結果には大きな違いは見られなかったと発表している。
また、MSNは現在、「ペイ・パー・クリック」広告システムを開発中だ。同社はYahoo子会社のOverture Servicesからスポンサー付き検索のライセンスを受けているが、検索結果表示画面の上部や横に表示されるこれらの商用検索結果はここ2年間、ネット広告の売上回復に大きく貢献している。
MSNは昨年、検索結果ページの最上部に表示される広告枠の販売を開始し、金融業界ではMSNがOvertureとの提携を解消するのではないかという憶測も流れた。しかし、両社は昨年11月にライセンス契約を2006年6月まで更新している。
自社技術を本格的に導入するタイミングは開発状況次第だと、Microsoft関係者は述べる。
「消費者からのフィードバックが製品に反映された時点で、最終製品をリリースする。今のところ、今年の早い時期には最終版をリリースしたいと考えている」(関係者)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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