今年19歳になるハーバード大学の学生が、Think SecretというMacファンサイトを運営しているのは自分だと主張している。同サイトは、Apple Computerの未発表製品に関する情報を掲載したことで、同社から訴えられている。
Nicholas Ciarelliというこの大学生はHarvard Crimson紙に対し、自分がThink Secretサイトを保有・運営していることを正式に認めた。Crimsonの編集者も務めるCiarelliは、Think Secretを6年前に開設したと同紙は報じている。
CiarelliはCrimson紙宛の電子メールのなかで、適切な報道手法に従ったとして自身の報道姿勢を弁護した。
Crimson紙によると、同氏のメールには「私は一般のジャーナリストがニュースを集めるのと同じ合法的な手法を用いた。情報源に取材し、情報を調査し、徹底的に調べ、詳細の確認を取った。これらの手法は、Think Secretの実績に反映されているはずだ」と書かれていたという。
Think Secretの関係者に電話でコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。
Appleは1月4日、Think Secretが先に掲載した記事にAppleの業務機密が含まれているとし、同サイトの発行人をはじめ、姓名不詳の複数の個人を提訴した。言論の自由を考える専門家は、このような訴訟は正当なニュース収集を滞らせるとして、この裁判に懸念を表明している。
Appleにとって、この訴訟はここ数週間で3件目の知的財産関連の訴訟であり、同社のマーケティング活動の影の部分を浮き彫りにするものだ。同社は未発表製品に関する情報統制が厳しいことで知られ、何年も前から、Macworldカンファレンスなどの大きなイベントに向けた期待感の高まりをうまく利用してきた。
Think Secretは今週のMacworld開催前に、モニタ未搭載の499ドルMac(Mac mini)の登場や、99ドルの機能限定版iPod(iPod Shuffle)など、重要な発表の一部を正確に伝えていた。近日中に登場すると言われていた音楽関連機器「Asteroid」はThink Secretの報道通りには姿を現さなかったが、この同サイトはAsteroidの発表が単に遅れただけだとの予測を示した。
「『Asteroid』はExpoでの登場が確実視されていたが、情報筋が先ごろ示唆したところによると、Appleが同製品をめぐる報道が加熱している点を考慮し、発表を延期する判断を下したという」と、これらの予測について考察した同サイトのページには書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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