Napsterの生みの親であるShawn Fanningが、米国時間6日に新たなピア・ツー・ピア(PtoP)音楽会社の設立を正式に発表する。同社は、ベンチャーキャピタルから1000万ドルの出資を受けており、また少なくとも1社のレコード会社から支援を取り付けている。
既報の通り、Fanningの新会社Snocapは、1999年にファイル交換の水門を開いた無秩序なサービスとは全く趣が異なる。今回Fanningと他の共同創設者らは、彼らが新たに開発したツールによって、他のファイル交換サービス企業が、各レコード会社の賛同を得て事業を運営でき、同時にアーティストらもダウンロードされた楽曲に対する報酬を受け取れる仕組みを構築したいと考えている。
1年以上にわたって沈黙を守ってきたFanningだが、今回ついに新世代のファイル交換サービスの概要を明らかにしようとしている。同サービスは今後、元のNapsterに匹敵するような膨大な数のコンテンツを扱う可能性もあるが、ただしファイル交換サービスに付き物の厄介な法的問題が発生することはない。
新会社で最高戦略責任者(CSO)を務めるFanningは、「過去5年間、顧客はPtoPをつかって、他の手段では入手できない音楽を探し求めることができた」と述べ、さらに「彼らの大半がその行為をやめるとはとても考えられない」と付け加えた。
同社の事業が成功すれば、Apple ComputerのiTunesがオンラインのダウンロードサービスを普及させたように、PtoPネットワークを音楽、さらには映画、ゲーム、ソフトといったコンテンツの公認販売チャネルに変える一助となる可能性がある。
Snocapサービスの中核をなすのは、Philips Royal Labsからライセンス供与を受けている音声「指紋」技術だ。この技術は、独自に開発した音声の特徴によりネットワーク上でやり取りされている楽曲を識別するものだ。各レコード会社は、それぞれの指紋に関連付けられたルール一式をSnocapに提供する。例えば、ある楽曲について、Windows Mediaデジタル著作権管理(DRM)で保護されている場合にだけ取引でき、99セントを支払うことによってロックが解除されるというようなルールを設定できる。
Snocap自体は音楽の販売は行なわない。同社は、他のデジタル音楽小売業者が--PtoP事業者であるか否かを問わず--レコード会社のコンテンツの販売権を獲得できるよう支援することを自社の主な役割だと考えている。大手レコード会社のUniversal Music Groupは、すでに自社の全カタログと楽曲の利用/販売方法を定めた関連ルールをSnocapのデータベースに入れている。Snocapによると、現在他のレコード会社とも交渉中だという。
素材の多くは各レコード会社から直接送られ、Snocapは「seeding」サーバを維持することになる。このサーバは各ネットワークにまだ出回っていないコンテンツを提供する役目を果たすものだ。しかし、Fanningはユーザーが自分の持つコンテンツを提供することになると期待していると述べた。Snocapはコンテンツ所有者が自らの作品を特製するのに手を貸し、それによって利益をことも考えていると同氏は述べた。
「これは音楽レーベル各社をはじめとするコンテンツ所有者にとって重要なステップだ」とGartnerG2アナリストのMike McGuireはいう。「コンテンツ所有者がSnocapを使えば基本的な権利のコントロールをできると理解し、オリジナルのPtoPネットワークが実現していたメリットを再現しようとすれば、そこから利益を得られるかもしれない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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