数週間前にFirefoxブラウザのバージョン1.0公開を成功させたMozillaが、今度は電子メールアプリケーションをリリースし、Microsoftに対する新たな攻撃に出た。
Mozilla Foundationは米国時間1日、Thunderbird 1.0メールソフトのリリース候補版(RC)を公開した。Netscapeが始めた同グループは、Netscapeの親会社となったTime Warnerから昨年独立していた。
今回のリリース候補版は、正式リリースを目前に控えた最終段階でのテストを目的とするもので、実質的には最終完成版といえる。Thunderbird開発の主任エンジニアを務めるScott MacGregorは、「ユーザーに安全にメールを使ってもらうための大きな一歩だ。検索結果を保存するフォルダやRSS(Really Simple Syndication)リーダーなどの新機能に加え、適応型スパムフィルタも気に入ってもらえると思う」と語った。
Thunderbird 1.0が投入される電子メール市場では、プロプライエタリな市販製品からオープンソースのものまで、さまざまな競合製品がひしめいている。
同市場で圧倒的な優位を誇るのはMicrosoftで、同社のOutlookクライアントとExchangeサーバはエンタープライズ市場を支配している。また、同社のOutlook Expressはエンドユーザー用として人気のある無償アプリケーションだ。さらに、2億人分近いアカウントが登録されている無償のウェブメールHotmailも、MSNウェブポータルへ大量のトラフィックを誘導し、売上拡大に大いに貢献している。
さらに、消費者のなかにはMicrosoftのHotmail、Yahoo Mail、GoogleのGmailなどのウェブメールに乗り替えた者もいる。これらのサービスは、デスクトップアプリに相当する機能を持たせようと努力を重ねており、Yahooが7月にOddpostを買収したのも、そうした目的があってのことだった。
アナリストらは、Thunderbirdが市場に食い込むためには、MozillaがFirefoxブラウザを成功に導いたのと同じ方法、つまりがMicrosoft製品に対する不満を利用することが必要だ述べている。
「Outlookに対しても同じような不満があるかどうかは分からないが、Outlook Expressを調査すると、IEとの類似点が多数見つけられる。スパイウェアが動作を低下させ、スパムが受信箱をあふれさせ、添付ファイルにはウイルスが感染しているなど、ウェブブラウザの場合と同じような問題があふれている・・・Thunderbirdは、こうした問題を解決するのに役に立つと思う」(MacGregor)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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