America Online(AOL)が広告収益モデルをとる無料のビデオ配信サービスを発表する予定であることが、CNET News.comが入手した情報から明らかになった。これは、事業の多角化と急成長分野であるオンライン広告の強化を狙った動きといえる。
AOLのブロードバンド営業開発部門ディレクターのTom Boscoは米国時間18日、インタビューの中で、数週間以内に「AOL Video」サービスを一般ユーザーに提供開始すると述べた。同社はまた、オンデマンドのビデオエンターテインメントサービス「Netscape Video」も年内に提供開始する。同社はすでに、「AOL Instant Messenger」のユーザー向けにもビデオ配信サービスを提供している。
これらのサービスはどれもユーザーにオンデマンドでビデオを配信するもので、映像には通常のテレビ放送と同様に広告が含まれる。いくつかのビデオクリップはウェブから誰でもアクセスできるが、それ以外のサービスはAOL加入者だけに提供される。Boscoによると、AOLはこの3つのビデオサービスを通して、1カ月当たり1億人以上の視聴者を獲得できると予測しているという。
6カ月前にMicrosoftのMSNビデオ部門からAOLに移ってきたばかりのBoscoは、「コンテンツがすべてだ」と述べる。「AOLはユーザーに番組を提供する。これが現在、ゲームの鍵を握っている」(Bosco)
AOLによるビデオ配信サービスへの取り組みは、ダイヤルアップ接続を提供するISPというルーツから脱却しようと苦闘した末の展開だ。AOLはまた、ライバルYahooのように、広告付きサービスをユーザーに無償提供することで、加入者の流出を防ぐことも狙っている。AOLの戦略が成功するかどうかは、同社が親会社Time Warnerのコンテンツや番組、ハリウッドとの関係を強調して多くの視聴者をひきつけ、大型の広告収入を獲得できるか否かにかかっている。
YahooとMSNも狙いは同じだ。2社は他社同様、インターネットテレビのようなサービスに対する需要がユーザーや広告主の間で高まることを見越して、コンテンツ企業と提携し、新しいサービスを提供しようと躍起になっている。
インターネット企業にとっては、こうしたビデオ配信サービスを提供する環境が整いつつある。ブロードバンドの普及により、消費者は家庭や職場で、ニュースや映画、音楽、ゲーム、オリジナル番組などの映像にウェブから気軽にアクセスできるようになった。さらにコマーシャルスキップ機能をもつ端末が出回っていることもあり、従来のテレビ広告主たちは、オンライン広告に資金を投じることを検討するようになった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」