Yahooは15日(米国時間)から、同社のメールサービスを使って送信される全てのメールにスパム対策技術を導入する。同社は、他のメールプロバイダにもこの技術を採用させたい考えだ。
同社の無料メールサービスから送信されるメッセージには「Domain Key」が組み込まれる。このDomain Keyは、送信メール用のデジタル署名を作成するシステムで、これにより受信者は受け取ったメールが表示されている送信元から送られたものか否かを確認できる。この技術は、スパムやいわゆる「フィッシング」攻撃の阻止を目的としている。フィッシング攻撃とは、見慣れたアドレスから送信されたように偽装されたメッセージを送りつけ、受信者が開封するとウイルス攻撃やソーシャルエンジニアリングを開始するというもの。
恐らくYahoo Mailユーザーには、これらの変化は認識できないだろう。というのも、このDomain KeyはYahooのサーバやネットワークインフラの中で分解されてしまうからだ。
同社コミュニケーション製品担当バイスプレジデントのBrad Garlinghouseは「(ユーザーは)今まで通り普通にYahoo Mailを利用するだけで、我々がDomain Keyを使って各種攻撃を阻止していることから恩恵を得られる」と語る。
YahooはDomain Keyをスパムに対する強力な武器として大々的に宣伝してきたが、このシステムを機能させるには、メールの送受信を行なうメールサービス企業がDomain Keyを利用しなければならない。同社は今のところ、EarthLinkやYahooの最大のライバルであるGoogleの支持を取り付けたが、メールプロバイダ最大手2社のAmerica OnlineとMicrosoftは依然、様子をうかがっている。
AOLとMicrosoftは、Domain Keyに注目してはいるものの、両社は独自のスパム対策技術およびメール認証技術を積極的に売り込んでいるという。AOLのSPFとMicrosoftのSender IDは、メールのIP(Internet protocol)アドレスを使って送信元を割り出す技術で、Domain Keyとの併用も可能だ。
Yahoo、AOL、Microsoftの3社はいずれも、自社技術の標準化に向けた申請を行なっている。
Yahooはまた、6月に100Mバイトに増強したメールサービスのストレージ容量を、米国時間の15日に、さらに250Mバイトまで拡大する。Googleが無料で1GBのメールボックスを利用可能なGmailでメール事業に参入して以来、YahooとMicrosoftのHotmailは、同様の方策を講じてきた。
Googleが参入するまでは、YahooとHotmailはそれぞれ4MBと2MBのストレージ容量を無料で提供し、さらに容量を拡大したい場合は有料としていた。
またYahooは今回、プレミアム会員に限り、メール1通当たりの添付ファイルの容量の上限を20MBに拡大する。無料メールサービスのユーザーは従来通り10MBに制限される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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