Firefoxブラウザのバージョン1.0がついにリリースされた。19カ月にわたる開発期間中に2度の名称変更を経験した同ブラウザだが、プレビュー版はすでに800万回以上ダウンロードされている。
Firefoxのバージョン1.0は、米国時間9日午前1時にリリースされた。 Mozilla Foundationのオープンソース開発プロジェクトから生まれた同ブラウザはウェブから無料でダウンロードできる。
プレビューリリースのダウンロード数から推測すると、同ブラウザは華々しいデビューを飾ることになりそうだ。
Mozilla FoundationのプレジデントMitchell Bakerは、「われわれのブラウザは主流になりつつある。今日の市場には、代替ブラウザが存在する余地はあまりなく、それだけ我々も難しい立場にある。しかし、人々はブラウザが重要であること、そしてPCにおまけでついてくるブラウザは単なる手始めであって、それしか選択肢がないわけではないことを認識し始めている」と述べている。
今回リリースされるFirefox 1.0は、9月に公開されたプレビューバージョンとあまり変わらない。Mozillaは今回、デフォルトページを新しいユーザーに訴求する内容に変更したが、そのほかの変更は、若干のパフォーマンス改善や軽微なバグ修正といった範囲にとどまっている。
それでも、プレビューバージョンで見られた傾向が加速し、FirefoxがMicrosoftのInternet Explorer(IE)に対して本物のライバルとなるようなことがあれば、このオープンソースブラウザが大きな衝撃を与える事態も考えられる。
ウェブのアナリストらは、IEがブラウザ戦争での勝利を宣言して以来、この市場をほとんど無視している。しかし、Firefoxや他の少数派ブラウザがIEからシェアを奪っている可能性を示すデータも少しずつ出始めている。
現在のブラウザ市場では、IEが90%以上のシェアを占め、OperaやApple ComputerのSafari、Mozillaベースの各ブラウザが残りのシェアを分け合っている状況だ。MozillaではFirefoxの市場シェアに関して、2005年末までに10%にすることを目標に掲げている。
Firefoxは、明らかに市場に食い込んでおり、ダウンロード件数も事前の目標を大きく上回ったが、それだけではない。同ブラウザは資金調達の面でも大成功を収めており、支持者たちはこの成功を前代未聞の出来事と呼んでいる。
Mozilla Foundationは、Firefoxの全面広告をThe New York Times紙に掲載すべく資金集めのキャンペーンを実施したが、このキャンペーンには最初の10日間で25万ドル以上の寄付金が集まった。
Mozillaでは、IEに対するセキュリティ上の懸念が高まったことが、Firefoxの成功につながったとしている。どのブラウザにもセキュリティ関連のバグは存在するが、IEは、セキュリティバグの報告やユーザーを狙ったスパイウェアが相次いだことから、セキュリティに関する評判が傷付いてしまった。
また米国土安全保障省のコンピュータ脅威監視部門CERT(Computer Emergency Readiness Team)は、米国民に対し、IEに代わるブラウザに乗り換えるよう勧告を出している。そのほかにも様々な民間団体が独自のキャンペーンを展開し、ウェブユーザーにIE以外のブラウザを利用するよう訴えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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