政治広告で溢れる選挙の激戦州に住む有権者は、人々にメールを介して選挙運動用コマーシャルを交換させようとしているピア・ツー・ピア(PtoP)政治サイトなど見たくもないだろう。
しかし、選挙の激戦州でフロリダハリケーンよろしく容赦なく吹き荒れている広告の嵐を見逃した人には、公共心に富んだ、ある新設サイトの閲覧をお勧めする。
このサイトは、スタンフォード大のLawrence Lessig教授と同教授が運営するCreative Commonsの支援を受けている。Creative Commonsでは、コンテンツの広範な普及や使用を促すための一種の著作権を奨励している。
「政治広告の目的は1つ。それは彼らが支持している候補者を選挙で勝たせることだ。大統領選が2週間後に迫った今、各選挙運動グループは、支持者らがメッセージを発信しやすい環境を整えようと躍起になるだろう」(Lessig)
確かに、有権者の見解を変える上で同サイトが果たす役割が大きいとは思えないが、同サイトは今年、インターネットが選挙運動や有権者の政治意識にもたらした劇的な変化の典型的な例といえる。
草の根的な資金調達活動から、携帯電話を駆使しながらインターネットで公開されたデータベースの指示通りに行動する各地のボランティアに至るまで、インターネットはいよいよ政治ツールとしての本領を発揮し始めた。
これまでインターネットが果たしてきた大きな役割の1つは、Lessigのサイトがやろうとしているように、仮にネットが存在しなければ情報を見逃していたかもしれない人々に情報を届けやすくすることだった。
同サイトの目的は、個人、候補者、およびその支持者らが行った「政治演説」を保存することであり、同サイトの訪問者は友人や知人に特定の映像へのリンクが張られたメールを送信できる。また、訪問者はテレビコマーシャルについてのコメントを投稿することもできる。
今のところ同サイトにコンテンツを投稿しているのは、John Kerry陣営と反BushのMoveOn.orgグループだけだ。しかし同サイトの設計者であるJ Christopher GarciaとAaron Swartzは、BushやNaderを支持する広告も投稿して欲しいと訴えている。
全ての広告はInternet Archiveに保管されている。同サービスではKazaaやeDonkeyといった、より人気の高いPtoPネットワークのファイル交換技術は使用していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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