Blogの人気が高まるなか、そのトラフィックがインターネットの帯域幅をますます多く消費するようになっていると、批判的な立場の人々が警告を発している。
この問題は今月、Microsoftが帯域幅の逼迫を理由に、開発者らがつけるBlogについて、同社ウェブサイトや配信先に表示する長さを切り詰めると決定したことを受けて、大きく取りざたされている。MicrosoftはBlogの購読者に対し、Microsoft Developer Network(MSDN)に上がる投稿の全文を配信することを取りやめた。そして、代わりに本文へのリンクを流し、それをたどってサイト上にある全文を読みにくるよう読者に求めることにした。しかし同社は、自社の開発者からの批判を受け、14日(米国時間)にこの決定を撤回した。
Blogのホストやシンジケートを行なっている大企業や他の組織にとって、今回のMicrosoftの方針変更と撤回は危険信号といえる。ネットワーク管理者らはBlogの人気の高まりにともない、サーバリソースに新たな負荷をかけるこの需要をどう満たすかで、厳しい選択を迫られる可能性がある。
また、HTTPのとるに足らない機能拡張から、グループでBlogをつけることの叡智、情報配信用の「プッシュ」技術の復活まで、あらゆる話題をめぐって議論が交わされる「Blog圏(blogosphere)」があちこちに現れているなかで、今回のMSDNでのBlog配信をめぐる事態の展開は、インターネットやBlogの基本的なプロトコルやサービスに関しても疑問を投げかけている。
ネットワーク管理者向けに帯域幅管理ソフトウェアを販売しているPacketeer(本社:カリフォルニア州クパティーノ)のシニアテクノロジスト、Mike Morfordは、「これはさらに大きなトレンドの一部分に過ぎない。(Blogのシンジケーションは)現在、より多くの情報をより効率的に共有するための最良のツールの1つといえる。問題は、情報量が多くなると必要な帯域幅が増えるが、ただし帯域幅はタダでは手に入らないということだ」と述べている。
この説明はMicrosoftにとっても異論のないものだろう。同社は何カ月も前から、MSDNメンバーのBlogエントリ全文を単一のフィードにして、MSDNのBlogページで公開したり、RSS(Really Simple Syndication)プロトコルを使った配信を行っていた。同社は何カ月も前から、MSDNメンバーのBlogエントリ全文を単一のフィードにして、MSDNのBlogページで公開したり、RSS(Really Simple Syndication)プロトコルを使った配信を行っていた。
帯域幅をむさぼり食うBlog
しかし、MSDNでBlogの人気が高まってくるにつれて、同サイトのページサイズが急増し、回線のコストが膨れ上がった。
そこで、Microsoftは9月4日(米国時間)、リソース節約のためにシンジケーションフィードとMSDNサイトのBlogで表示される投稿を、最初の500文字のみに省略することにした。また、登録者やサイト読者は、リンクをたどれば投稿の全文を読むことができるようにした。この節約作戦によって、MSDNBlogページのサイズは75%小さくなり、約100Kバイトになった。
だがこの作戦は、MSDNブロガーたちの怒りも買ってしまった。
「Blog界で、省略されたRSSフィードほど苛立たしいものはない」とブロガーのSteve Mainは自身のBlogに記している。「RSSアグリゲータは、自分のウェブブラウザで100件ものページを開かなくて済むようにするためのものだ。アグリゲータがコンテンツを引っ張ってきてくれるおかげで、ブラウザを1つ立ち上げるだけで文章全体をざっと眺められるのであって、RSSフィードにコンテンツ全文が含まれていなければ、RSSが本来提供している生産性向上の恩恵が受けられなくなる」(Main)
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