土壇場で番狂わせでもない限り、ウェブブラウザ「Firefox」のバージョン1.0が米国時間14日に登場する。
厳密にはプレビュー版だが、バージョン1.0のリリースは、このオープンソースのブラウザにとって重要な節目となる。Firefoxは、MicrosoftのInternet Explorerに代わるものとして既に熱狂的な支持者を獲得している。
Mozilla Foundationで開発者コミュニティ向けに品質向上の提唱役を務めるAsa Dotzlerは、11日夜に公開したブログのなかで、「今日公開したビルドは1.0PR(プレビューリリース)の新しい候補版だ。ビルドに何の問題も見つからなければ、14日午前には正式なFirefox 1.0 Preview Releaseビルドとなる」と書いている。
昨年夏にAOL Time WarnerからスピンオフしたMozilla Foundationは、Firefoxと、その前身であるMozillaの両ブラウザを開発するオープンソースグループ。
Mozillaの広報担当、Bart Decremは、品質管理の問題から投入が遅れる可能性もあるとの但し書き付きで、同グループが14日午前のリリースを目指していることを正式に認めた。
「スケジュールを遅らせる何らかの問題が13日の午後に発生する可能性は常にあるものの、予定は述べたとおり(14日午前にリリース)だ」(Decrem)
1.0プレビューの登場は、Firefoxがこのところ見せてきた一連の進展の1つだ。当初は「Phoenix」と呼ばれ、次に「Firebird」へと名称変更された同ブラウザは、オリジナルのMozillaブラウザが巨大化しすぎたとの苦情に応えて開発された。
サイズが比較的小さいことと、タブブラウザの機能やポップアップ排除機能を早期に導入したことで賞賛されるFirefoxは、ベータ版の時点から既にファンや賞をいくつか獲得している。
Internet Explorerで次々にセキュリティ問題が明らかになるなか、Mozillaは自らセキュリティの問題を抱えていたにもかかわらず、シェアはともかく、評判を上げてきていた。
米国政府のコンピュータセキュリティグループは6月、多数のセキュリティ問題の回避策の1つとしてIEの使用を控えるよう勧告を出した。また先週末には、オンラインバンキングを利用するドイツ国民に対し、ドイツ政府のITセキュリティ当局が同じような警告を出している。
Firefoxに対する人気はオープンソースグループの間でも高まっている。Linuxベースのユーザーインターフェース開発に取り組む「K Desktop Environment(KDE)」の開発者らは、先月下旬にレンダリングエンジン「Gecko」をKDEに移植した。GeckoはMozillaで開発が進むさまざまなブラウザで採用されているものだ。この移植によって、FirefoxはKDEアプリケーションのルックアンドフィールを持つものとなり、KDEのブラウザ「Konqueror」用につくられたウェブぺージも正しく表示できるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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