米司法省は米国時間25日、ピア・ツー・ピア(PtoP)ネットワーク上での違法コピー流通を取り締まるべく同省が捜査を開始したことを発表した。
同省の声明によると、「Operation Digital Gridlock」と名付けられた今回の捜査は、Underground Networkと呼ばれる特定のファイル交換グループ摘発を狙ったもので、連邦捜査官が著作権侵害の証拠入手のために、3つの州で5カ所の個人宅とISP1社を家宅捜索したという。
John Ashcroft司法長官は声明の中で、「本日行った捜査は、ユーザーによる楽曲、映画、ソフトウェアおよび各種出版物の違法な交換を可能にする、大規模なピア・ツー・ピアネットワークを分断した。司法省は知的財産法を確実に遵守させ、著作権で保護された作品を盗む者は、たとえピア・ツー・ピアネットワークの匿名性を利用して身を隠そうとしても、必ずこれを突き止める」と述べている。
今回の捜査の結果、起訴された者はまだ出ていない。しかし、これは連邦捜査当局によるピア・ツー・ピア技術対策の1つの大きな節目となるものだ。また、捜査官がこれまで一般的にターゲットにしてきた緻密に組織化されたグループ以外にも捜査対象が広がり、気軽に違法なファイル交換を行っているユーザーに対しても、本格的捜査が行われる前兆となり得る。
注目を集める大半の捜査がそうであるように、25日に行われた家宅捜索も、違法コピーを大量に流通させている容疑者グループをターゲットにしたもので、KazaaやeDonkeyといったプログラムを使う普通のコンピュータユーザーが対象ではない。しかし、当初FBIの捜査対象となっていた秘密主義の「warez」グループとは異なり、Underground Networkには厳しい会員資格もなく、また普通のユーザーを結びつける組織体制もほとんどないようだ。
司法省はこれまで、主にRIAA(全米レコード協会)、米国映画協会(MPAA)、BSA(Business Software Alliance)といった業界団体の強い要請を受けて、オンライン経由で著作権侵害行為を行ったとされる容疑者の取り締まりを定期的に実施してきた。
そのMPAAでは、今回のFBIによる捜査を歓迎する声明を即座に発表している。
MPAAのCEO、Jack Valentiは声明の中で、「Operation Digital Gridlockは、映画を盗み、ネットを使ってそれを流通させようと考える者全員に対し、違法な行為には必ず実際の結果が伴うとの強いメッセージを送るはずだ。また、ネット上での違法行為は突き止められないため、これを犯しても安全だという伝説も崩れるはずだ」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス