アスク ジーブス ジャパンは24日、一般ユーザー向け検索サイトAsk.jpのベータ版を公開した。ユーザーのフィードバックを得た上で、年内に本格サービスの開始を目指すという。
アスク ジーブス ジャパンは、米Ask Jeevesとトランスコスモスの合弁会社として2000年9月に設立され、これまで日本市場で企業向けサイトにナビゲーション技術を提供するなど、BtoB事業を行ってきた。同事業の営業権はトランスコスモスに譲渡され、アスク ジーブス ジャパンはコンシューマー向け検索サイトに注力する。
Ask.jpのサイトでは、Ask Jeevesが買収した検索エンジン企業Teomaの技術とAsk.comの機能を駆使し、日本語環境向けに最適化している。Ask.jpの検索結果は、単に人気の高いサイトを順番に表示するだけでなく、検索ワードに関連するカテゴリーを抽出して表示する「スマートファインダー」機能が備わっており、そこから検索結果をさらに絞り込むことが可能だ。
アスク ジーブス ジャパン代表取締役社長兼CEO 塩川博孝氏 |
アスク ジーブス ジャパン代表取締役社長兼CEOの塩川博孝氏は「グーグルやヤフーなどの検索技術では、人気の高いサイトのみが上位に表示される傾向にある。Ask.jpではさらに、その人気の高いサイトがどのサイトを重要視しているかといった多次元的な解釈で検索順位を決める。現在の検索技術は第2世代といわれているが、Ask.jpは2.5世代の技術だ」と説明する。同氏によると、ベータ版ではロボット検索のみが提供されるが、本格サービス開始時には英語版Ask.comで提供されているような自然文検索も可能になるという。
アスク ジーブス ジャパンの主な収入源は、グーグルのアドワーズやオーバーチュアが行っているようなペイドリスティング広告となる見込み。現在米国のAsk Jeevesでは、ペイドリスティングのエンジンはGoogleのものを採用しているが、日本におけるペイドリスティングでどのエンジンを採用するかは現在未定だという。
すでにヤフーやグーグルといった大手が市場を独占しつつある日本の検索市場だが、アスク ジーブスに勝算はあるのだろうか。塩川氏は、「ナンバーワンになることだけが勝つことだとは限らない」という。「通常インターネットのサービスは、市場に早く参入した者の一人勝ちとなるケースが多いが、検索サービスは個人の好みが激しいものだ。ユーザーもいくつかのオプションを望んでおり、検索に関しては3番手までが市場に受け入れられるものだと見ている。Ask.jpではヤフーのようなユビキタスポータルを提供することは考えていない。あくまでもよりよい検索技術を提供することで戦っていくつもりだ」(塩川氏)
今後のサービスについては、パーソナライゼーション機能やローカル検索など、ユーザーニーズを把握したうえで提供するとしている。特に「ニュース検索、製品検索、イメージ検索は3本柱だろう」(塩川氏)としており、これらのサービスから手がけていく方針のようだ。
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