Apple Computerが米国時間21日、英国の大手独立系レーベル3社と契約を締結したと発表した。同社がヨーロッパで展開するiTunesサービスでは、これまで多くの人気バンドの楽曲が取り扱われずにいたが、今回の契約でこうしたライセンス問題の一部が解決されたことになる。
Appleが今回、契約を締結したのはBeggars Group、Sanctuary Records Group、V2の3社。この契約により、ヨーロッパの顧客は、iTunesサービスを通してPixiesやthe White Stripes、Morrisseyをはじめとするアーティストの曲を入手できるようになる。
AppleのCEO(最高経営責任者)Steve Jobsは声明の中で、「英国、フランス、ドイツで展開するiTunes Music Storeにヨーロッパの三大インディーズレーベルが加わったことに、われわれは感動している。Beggars、Sanctuary、V2のiTunesファミリーへの参加を歓迎する。今後は、もっと多くの独立系レーベルに参加してもらうつもりだ」と述べている。
先月ヨーロッパで立ち上げた同サービスは、Appleが米国以外の市場でも、米国iTunesのような成功を収められるかを試すテストだと考えられてきた。
今のところヨーロッパでのiTunesサービスは順調に展開されているように見える。英国、ドイツ、フランスを対象に同サービスを提供開始してから1週間で80万以上の楽曲を販売したと同社はいう。また売上のうちの半分以上は、英国の顧客によってもたらされている。
英国のレコードレーベル業界団体であるBPIによると、これまで国内に存在したOn-Demand Distributionなどのダウンロードサービスでは、2004年の最初の5カ月で約50万曲をオンラインで販売した程度だったという。
米国でもこれまでライセンス上の問題があって、Appleをはじめとする企業各社は、iTunesやその他の競合サービスを通して、多くの人気バンドの楽曲を提供できずにいた。そして今回、海外でも同様の問題があることが明らかになった。出版社やソングライターで構成される組織と同様、多くのレーベルは、地域毎に異なるライセンスプログラムを用意している。
英国の独立系レーベルや多くの人気バンドを代表するAssociation of Independent Music(AIM)によると、当初Appleがヨーロッパの独立系レーベルと進めていたライセンス交渉は、ヨーロッパでサービスを開始する数日前に決裂してしまったという。
AIMによると、その後の交渉で独立系レーベルには、Appleから正当な著作権料が支払われることになったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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