シリコンバレーのあるベンチャー企業が、Googleを相手取って訴訟を起こした。原告側は、検索大手のGoogleに勤務するエンジニアが、人気のオンラインソーシャルネットワークサービス「Orkut.com」構築のためにソフトウェアのコードを盗んだと主張している。
この訴訟は、Googleのエンジニア、Orkut Buyukkoktenが、同社のソーシャルネットワーキングサイト「Orkut」を構築するにあたって、以前の勤務先であるAffinity Enginesからコードを盗んだとして起こされた。また、BuyukkoktenがAffinity Enginesを退職してGoogleに入社する際に、競合するソーシャルネットワークサービスを開発しないという約束を交わしていた、とも主張している。
Affinity Enginesは、サンタクララにあるカリフォルニア州上級裁判所で5月25日にこの訴えを起こしており、Googleに対し、不特定の損害賠償金とロイヤリティの支払いを求めている。
Googleの広報担当、David Kraneは訴訟の事実を認めたが、OrkutにはAffinity Enginesのつくったソースコードは含まれていないと述べた。
「Googleは、(Affinityに対し)中立的な専門家に頼んで2つのプログラムのコードを比較し、Affinityの主張を評価してもらうことを何度も提案していた。だが、Affinityはこの申し出を退けた」と、Kraneは電子メールによる声明文で述べている。「Googleでは、Affinity Enginesが起こした主張を完全に調査した。そして、同社の告訴は何の実体もないものだという結論に達した」(Krane)。
これに対して、Affinity Enginesの最高経営責任者(CEO)Brian Samuelsは、この訴訟を擁護し、「われわれの考えはすべて申し立てのなかに盛り込まれており、この訴訟には実体があることを確信している」と述べている。
Googleは今年1月、人気のソーシャルネットワークサイト、FriendsterやTickleと同じように、招待者のみが参加できるサービスとしてOrkutを開始した。ソーシャルネットワークサイトは、ユーザー同士が情報交換をしたり他人と出会えるコミュニティをオンライン上に形成できることから、このところ人気が高まっている。
CNET News.comに転送された訴えによると、ともにスタンフォード大学の学生であったBuyukkoktenとTyler Ziemannは、2001年に“Club Nexis”というオンラインソーシャルネットワークサイトの構想を立てたという。翌2002年、2人はAffinity Enginesを創業したが、トルコ人のBuyukkoktenは米国での就労許可を得るために、どこかの企業で雇用される必要があるとして同社を去り、Googleに入社した。
今回の訴えによると、Affinityを退社する前、BuyukkoktenはAffinity Enginesの技術を第3者のために使用しないという同意書に署名していたという。
2003年10月、Friendsterは、3000万ドルで買収するというGoogleの買収提案を跳ねつけた。原告の主張によると、Googleのある幹部はこれを受け、Friendsterと競合するソーシャルネットワークサイトを開発するようBuyukkoktenに持ちかけた。そしてAffinity Engines側が、Buyukkoktenに同ソーシャルネットワーク製品のソースコードが含まれるCD-ROMを返却するよう求めたが、同氏はこれを断ったという。
なお、この訴訟のニュースはWired Newsが最も早く報道した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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