最新の調査によると、TiVoのような広告をスキップできる録画再生機器が家庭に普及することを踏まえ、全米で広告を展開する企業の大半が、今後5年間でテレビコマーシャルに使う予算の20%削減を計画しているという。
調査会社Forrester Researchが26日(米国時間)に発表したこの調査報告では、テレビに代わる媒体のトップにウェブが挙げられている。
TiVoのようなデジタルビデオレコーダー(DVR)を利用する家庭は、現在の300万世帯から、5年以内に3000万世帯に達すると見られている。DVRを利用する視聴者は、録画した番組を再生する際にコマーシャルを簡単にスキップできるため、テレビコマーシャルの宣伝効果は低下してしまう。この点を考慮した米国の広告主は、テレビに代わる媒体を検討しており、広告の視聴者の数が減るなら広告費の増額を控えるという。
Forresterの調査対象となった55の広告主のうち、4分の3が今後広告費を削減すると答えている。さらに、このうちの63%は広告費を20%以上削減する見通しだ。この大半が、まずケーブルテレビの全国放送での広告を減らし、その後、地上波全国放送、地上波ローカル放送、ケーブルテレビのローカル放送を対象とすると述べた。
また、広告や番組の視聴率を測定する新しい方法が必要だと答えた広告主は全体の9割を越えている。テレビ業界は、視聴した世帯数と頻度といった従来のベンチマークに替わる、視聴状況の測定結果を報告する必要があるという。
広告主らはテレビ局に対し、DVRの製造業者やケーブルテレビ会社と協力して、市場における技術革新と新しい視聴率測定方法の開発に役立つ機能をDVRに組み込むよう求めていることも、この調査で明らかにされた。また、調査対象の4分の3の企業が、ブランドキャンペーンを活性化するコンテンツや番組をつくる必要性を感じているという。
さらに、広告主はテレビに割り当てていた広告予算を他の媒体へ振り向けることを計画している。広告主のほぼ半数は、広告をスキップすることが難しい、雑誌やラジオなどの従来の媒体へ予算を振り向けると述べている。
調査対象企業の4分の3は、バナー広告やリッチメディア広告を含む、インターネット媒体への広告予算を増やすと答えており、また半数以上が、広告効果の追跡・評価が可能な検索エンジン市場への資金投入を予定していると答えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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