Googleの無料電子メールサービスGmailはインターネットユーザーのプライバシーを著しく侵害するとして、カリフォルニア州議会のある議員がGmailの導入阻止を求める法案を議会に提出した。
同州上院議員のLiz Figueroa(フレモント市選出:民主党)は米国時間22日、一企業が顧客の電子メールをスキャンして、その内容と関連性の高い広告を表示するのは違法とすべきだと述べた。たとえ顧客が、1Gバイトのストレージ容量と引き換えにメールをスキャンされることに合意したとしても、違法にすべきだという。
「医者や友人、恋人、家族に宛てた、プライバシーの極致ともいえる電子メールのメッセージを、単なるダイレクトマーケティングの道具と位置づけるのは、Eコマースの正しい促進方法ではない」とFigueroaは声明のなかで述べた。この声明の中で同氏は、Gmailユーザーの電子メールメッセージを「Googleにダイレクトマーケティングの機会を与えるもの」と呼んでいる。
Googleは、私企業のビジネス手法は政府の規制によってコントロールされるべきだと考える人々から、予想外の厳しい批判を浴びている。ロンドンに本部を置くPrivacy Internationalは、少なくとも16カ国の政府高官にGmailに関する苦情を送っている。一方、規制強化を支持する複数のプライバシー擁護団体は、現在の形でGmailを導入しては「絶対に」ならないと訴える連名の書簡をGoogleに送りつけている。だが、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation:EFF)など、規制を支持しないグループは、この書簡に署名していない。
Figueroaの法案には、電子メールサービスやインスタントメッセージ(IM)のサービスプロバイダは、ユーザーが外部に送信するメッセージをスキャンするのは構わないが、受信メッセージをスキャンしてはならないと書かれている。ただし、スパム及びウイルスのフィルタリングに限ってはこの対象から除かれている。
Googleの関係者は、同社では現在法案の内容を検討中であると述べただけで、すぐにはコメントしなかった。
この法案は、Gmailのサービス提供を阻止する以上の影響力を持つことになりそうだ。なお、Gmailはまだ一般には公開されていない。
広範な内容が盛り込まれた今回の法案には、電子メールやIMのサービスプロバイダは、外部から受信した電子メールやメッセージの内容を、全ての外部通信者の明確な合意無しに見たり、調べたり、また評価したりしてはならないと書かれている。これは、現実には満たし難い要求だ。
この法案の要求に従うと、カリフォルニア州に籍を置く企業は、明らかに性的なジョークを含むメッセージを削除する機能をもった、家庭向けの電子メールサービスを提供できなくなる。また、受信メッセージの内容を見て、www.news.comのような文字列をクリック可能なハイパーリンクに変えることも禁じられることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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