Googleは米国時間13日、ウェブベースの電子メールサービスGmailの改善に向けて対応策を検討中であることを明らかにした。同社は先月、このサービスの提供を試験的に開始したが、ユーザーのプライバシーを懸念する声が各方面から一斉に上がっていた。
同社は先月下旬にGmailを発表し、限定テストと称して約1000人のユーザーにこのサービスを提供し始めた。インターネットユーザーに1Gバイトものストレージ容量を無料で提供するこのサービスは、電子メールの内容を自動的に読み取って得られたキーワードをもとに、スポンサーの広告を表示するため、公開直後から物議を醸していた。
Google広報担当のDavid Kraneによると、Googleでは3〜6カ月にわたってテストを続ける予定で、その期間中に、テストユーザーや関係者の意見に十分耳を傾けていくつもりだという。さらに同氏は、寄せられた意見に基づいてサービスの内容に変更を加える可能性もあると述べたが、ただし同社ではまだはっきりした決定は何も行っていない。
「テストはまだ始まったばかりだ。現在われわれは、ユーザーや、プライバシー擁護団体などのサードパーティの意見を積極的に求め、彼らからのフィードバックを分析しているところだ。サービスの改善に向けて具体的にいくつかのオプションを検討中だが、Gmailをどう変えるかについては、まだ決定や発表は行っていない」とKraneは述べた。
Gmailはプライバシー擁護論者から激しい反発を招いている。Gmailのシステムを使えば、Googleが半永久的に膨大な量の電子メールを保存し、その内容をスキャンすることも可能になる。つまり、Googleが個人のプライバシーを侵害する可能性が存在するというのが彼らの主張だ。
カリフォルニア州フリーモント選出の民主党州議会議員Liz Figueroaは12日、Googleや他の企業が広告を提供することを目的として電子メールの内容を調べることを禁止する法案を準備中だと述べていた。
また、先週Privacy Internationalという団体はイギリスの情報コミッショナー事務局に、同サービスに対して何らかのアクションを起こすように働きかけたが、ただし当局では今のところ強硬路線をとる様子はなさそうだ。
Kraneによると、GoogleはGmailに対する反響があまりにも大きいことに驚いているという。同氏は、Gmailの論争を巻き起こしている広告の仕組みを変更する否かについては明言を避けた。また、仮に広告収入なしで、何百万人ものユーザーに1Gバイトものストレージ容量を提供することになったら採算が合うのかという質問に対しても、コメントしていない。
KraneはGmailについて、他社の電子メールサービスよりプライバシーに配慮している点を強調した。その一例として、Gmailでは電子メールに添付された画像が自動的に表示されることはないという。こうすることで、電子メールに画像を埋め込んでユーザーの動きを追跡する技術--ウェブビーコンまたはクリアGIFとして知られるものからの脅威を軽減できる。
「いまのところ、テストユーザーからは非常に好ましい反応が返ってきている」(Krane)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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