Googleが提供を予定している電子メールサービスは、イギリスではどうやら法律的な問題に突き当たらずに済みそうだ。ただし、個人情報の取り扱いに関してユーザーを欺かなければ、という条件付きでの話だが。
Googleが発表したGmailは、MicorosoftのMSN HotmailやYahooのYahoo Mailと似た無料で使えるウェブベースの電子メールサービスサービスだ。検索エンジンの巨人が提供する同サービスの最大の特徴は、1Gバイトにも及ぶストレージ容量にある。これに対して、ライバルのHotmailのストレージ容量は2Mバイト、Yahooのストレージ容量は4Mバイトである。
しかし、Googleが電子メールの内容を自動的に読み取って関連性の高い広告を表示する点に、プライバシー擁護論者は不満を述べている。英国のPrivacy Internationalという団体は先週、Gmailサービスに対して何らかの措置を講じるよう政府の情報コミッショナーに働きかけた。
ところが、情報コミッショナー事務局は13日(現地時間)、Googleがこの計画について隠し立てせず誠実に情報を公開する限り、イギリスでのサービス提供に問題はないだろうとの見解を示した。
「Googleが電子メールをモニタリングして、その情報をマーケティングに利用することを、ユーザーがサービスに登録する際に十分説明している限り、法律違反にはならないだろう」と、情報コミッショナー事務局の関係者は述べ、さらに「ただし、サービスが開始していない現時点で、大丈夫だと断言することはできない」とも付け加えた。
もう1つ、このサービスが非難を浴びているのは、ユーザーが受信メールを削除した後もコピーがシステム内に保存されてしまうという点だ。この点についてイギリスの規制当局は、本当にデータを削除することはシステム的に難しいことに理解を示しているようだ。
「ユーザーが電子メールを削除した後もシステム内部にコピーが残ることについては、インターネットサービスプロバイダ(ISP)各社が対応策をすでに講じている」と情報コミッショナー事務局の関係者は語る。
世界の他の地域では、Gmailに対する受け止め方はこれほど穏やかなものではない。カリフォルニア州のある議員は12日、同サービスを阻止するための規制法案を起草していると発表した。個人宛てのメッセージの中に広告を表示するなどおかしいというのが彼女の言い分だ。
これに対して、Googleでは個人情報の取り扱いには「細心の注意」を払うとし、したがって何の心配もないと主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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