Moblogの普及に期待する企業側の思惑と不安

Paul Festa (CNET News.com)2004年04月02日 11時31分

 カメラ付き携帯電話メーカーにとって、Gena Crequeは夢のような存在だ。

 Crequeはフロリダ州メルボルンに住む今年23歳になる女性。現在は世論調査会社で人事担当ディレクターとして働いている。彼女は毎日、平均5枚のデジタル写真を撮影して、これをウェブで公開している。彼女のパーソナルなモバイルウェブログ(または「Moblog(モブログ)」)は定期的に更新されている。

 「私は人間が大好き」というCrequeはMoblogにハマリまくっているという。「(Moblogは)おしゃべりの方法として最高よ。私はとても気まぐれなの」(Creque)

 Crequeや、彼女と似た考えをもつ写真ブロガー(Blog作成者)は、頻繁に携帯電話のカメラで(しばしば際どい)写真を隠し撮りして互いに楽しんでいる。携帯電話会社や電話機メーカーは、このMoblogのトレンドを熱心に見守っており、一部ではMoblogに参入する動きさえある。

 新しい携帯電話機にはカメラ付きのものが増えている。しかし、最新鋭の高速ネットワークや高級電話機の開発に多額の投資を行った携帯電話会社では、ユーザーがわざわざ料金を支払ってまで、撮影した写真をインターネット経由で送信するだろうかと心配している。

 「我々は確かにこのトレンドに注目している。写真を撮影して、それをノートパソコンに送ることもできるが、それではネットワークを使用しないので我々にメリットはない。誰もが電話ならためらわずに利用するように、ユーザーが利用方法やコストに不安を感じないようになってほしいと思う」と、AT&T Wirelessの広報担当、Ritch Blasiは述べている。

 インターネット接続料の課金方法は、携帯電話会社の料金プランによってさまざまだが、Blasiは1枚の画像をネットワークに送るのにかかる料金を25セント程度と見積もっている。

 消費者や携帯電話メーカーからのMoblog需要が高まったおかげで、TextAmericaやMobog、Buzznet、Ploggleなどの新興企業にはチャンスが生まれている。

 全世界に向けて写真中心のBlogサイトを運営しているTextAmericaは、携帯電話業界でトップ5に数えられるある企業と技術ライセンス契約を結んだ。

 TextAmericaは従業員5名の新興企業で、ちょうど1年前にサービスを開始して以来、登録ユーザー数は50万人に達したという。携帯電話で撮影した写真をアップロードしているユーザーは、全ユーザーの約20%で、残る80%はBlogを閲覧したり、Blogにコメントを書いたりしている。

 「Moblogが盛んになると、カメラ付き携帯電話の売上も増えるだろう」というのは、TextAmerica創業者のChris Hoar。「大手の携帯電話会社にしてみれば、これは帳尻があわないビジネスだろう。高速なネットワークの維持にはものすごくお金がかかり、またカメラ付きケータイは原価よりも安い値段で販売している。1カ月で2枚分程度の通信料しか取れなかったら、投資を回収できないことになる」と同氏は付け加えた。

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