CDのコピー防止技術を開発するSunnComm Technologiesは米国時間4日、音楽の著作権侵害に対抗する技術を新たなレベルに引き上げるべく、同業の別の企業を買収することを明らかにした。
SunnCommが買収に合意したのは、英国のDarknoise Technologiesという企業で、同社の開発したCD複製防止技術は、最新式のデジタルコピー以外にも有効なものだという。
現在のコピー防止技術を使ったCDでは、コンピュータなどの複製用機械から音楽ファイルが見えない、もしくは読み取れないようになっている。だが、Darknoiseの技術はこれと異なり、実際に楽曲の音楽信号にわずかな変更を加える。その後これらの曲をコピーすると、スピーカーの前でテープレコーダーを回すというような古くさい方法でも、それまで聴き取れなかったDarknoiseの加えた音が聞こえるようになり、複製の方は聞くに耐えられないものになってしまう、と同社では主張している。
SunnCommのCEO(最高経営責任者)、Peter Jacobsは、「これは効果がある。この仕組みは本物だ。追加した音は、(音楽を)適切に利用し、何もしない限りは聞こえないが、不正にコピーすると聞こえてくる」と話している。
仮に、Darknoiseの技術が連続テストに耐えられれば、違法に音楽をコピーしようとする者と、違法コピーの低減や排除に熱心な音楽会社との間で続いている、技術開発競争に重要な展開が見られる可能性がある。
SunnCommと、ライバルのMacrovisionは、CD上のファイルと全く同じデジタルコピーの作成を妨害する、もしくはこれをMP3などの圧縮デジタルファイルにしてしまう技術を既に開発している。しかし、このようなコピー防止技術は、デジタルコピー以外への応用が難しかった。
現時点では、オーディオ信号がスピーカーに到達する途中で、これを捕まえて録音用の機材に迂回させるというやり方をすれば、たとえコピー防止機能付きのCDであってもコピーできてしまう。デジタルコピー保護技術のこの盲点は「アナログホール」と呼ばれ、頻繁に話題になっている。
Darknoiseの技術には、Macrovisionが開発して普及し、米国の著作権法で使用が義務づけられているビデオテープのコピー防止技術に似た部分がある。このツールを使うと、ビデオデッキから別のビデオデッキへ直接コピーしようとすると、ビデオに小さな修正が加えられて、使いものにならない複製ができてしまうと、同社は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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