Yahooは、最大のライバルであるMicrosoftやAmerica Onlineがデジタル音楽販売に向けてさらに大きな賭けに出ようとするなか、自社のこれまでの計画を見直し、音楽ダウンロードサービスの展開についてひそかに検討を進めている。
Yahooの動きに詳しい人間の話では、同社は昨年12月に、音楽ソフトを開発するMediacodeを買収し、その技術をデジタルジュークボックスやメディアプレーヤーの開発に役立てるという。これらのソフトウェアは、多くの音楽ダウンロードサービスで重要なコンポーネントとなっているもの。Mediacodeのチームには、人気の高いWinampミュージックプレーヤーを開発し、現在はAOL傘下にあるNullsoftの設立メンバー2人も含まれている。
さらにYahooは、いまのところダウンロードではなくストリーミングメディアに賭けている自社戦略の見直しに合わせ、オンライン音楽サービス市場の様子も探りも始めている。たとえば、Yahooは最大のインターネット音楽サービスの1つであるMusicmatchとも話し合いを行っており、その内容に詳しい情報筋は、これが買収の話し合いにつながるかもしれないと述べている。
複数の情報筋が、この話し合いを予備的なものだとしており、Yahoo側でもまだ何の提案も行っていないと話している。さらに、Yahooでは提携などについて他社との間で頻繁に話し合いを行っており、また過去数カ月の間にもBuyMusic.comやNapsterの親会社であるRoxioなど、複数のオンライン音楽サービス会社から問い合わせがあった、と情報筋は付け加えている。
Yahooではこれらの話し合いについて一切コメントを控えている。Yahooの広報担当、Charlene Englishは、「我々は市場の噂に対して、コメントや憶測を述べるつもりはない」と語った。
NapsterおよびBuyMusicもコメントを控えている。Musicmatchの広報担当、Jennifer Robertsは、「我々は多くの企業と話し合いを行っているが、自社のビジネス運営に集中している」と述べた
音楽ダウンロード市場への参入は、2001年に1200万ドルで買収した子会社のLaunchを通じて、音楽やビデオのストリーミング配信に重点を置いてきたYahooにとって、過去の戦略からの転換となる。同社はまた、RoxioのNapster音楽サービスの提供も行っているが、これは顧客がダウンロードした音楽を購入したり、あるいは定額性のサービスを利用できるというものだ。
Launchでは、無料のサービスも提供しているものの、収益は広告収入とプレミアムバージョンの会費からあげている。YahooはLaunchの決算を公表していないが、詳しい情報筋によると同サービスの収支はトントンといったところだという。
Yahooの音楽事業部のトップで、Launchの共同創業者でもあるDave Goldbergを含む同社の経営陣は、ダウンロードの音楽配信ビジネスは儲からないとして、これまでこれを軽視していた。音楽販売ビジネスを手がける他社でも、このビジネスは薄利か、あってもほとんど(利益が)ないに等しいことを認めており、売上の大部分がレコード会社へのライセンス料、配信コスト、クレジットカード利用料の支払いに消えてしまうと述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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