Macrovisionは22日(米国時間)、新世代の著作権侵害防止技術を発表した。同社では、この技術により、コピー防止機能付きCDが、顧客とレコード会社の双方に対して、いま以上にアピールするものになると期待している。
この新技術は、たいていの人間が自分のコンピュータ上でCDを使ってしていることを再現しようとしている。レコード会社などのコンテンツ保有者は、Macrovisionの技術を使ったコピー防止機能付きCDに付属するMicrosoft Windows Mediaのファイルを用いて、「利用ルール」を設定できるようになる。これにより、例えばコピーした楽曲をCDに焼いたり、携帯音楽プレーヤーへ移すといった行為に対して、特定の回数だけ許可することが可能になる。
Macrovisionは、CDS-300という名のこの新技術で、CDのコピー防止機能が消費者に受け入れられやすくなることを期待している。消費者はすでに、有料の音楽配信サービスから購入した楽曲で、こうした利用制限に馴染んでいる。
「以前は、CDに『セカンドセッション』が書き込まれていた」と、Macrovisionのマーケティング担当バイスプレジデントAdam Sextonはいう。「我々は、いまやそれと同じ機能を提供でき、さらにオンラインサービスに対抗できる」(Sexton)
同社の以前のソフトウェアは、ほとんどのコンピュータには読みとり不可能な音楽ファイルを記録することで、ユーザーがCDのコピーを作れないようにしていた。一方で、この保護機能付きCDには、PC上で再生できるMicrosoft Windows Media形式の追加バージョンも録音されていた。この別セットの音楽ファイルが「セカンドセッション」と呼ばれるもので、これをコピーしたり、携帯用デバイスに録音することはできなかった。
しかし、こういった制限は、音楽ファイルをCDに焼いたり、複数のコンピュータで再生したり、または携帯音楽プレーヤーへのコピーができる、Apple ComputerのiTunesやNapsterなどのサービスに対して、見劣りがしていた。iTunesやNapsterでは、利用の制限はずっと緩やかだが、それでもコピー防止機能は付いている。
コピー防止機能付きCDの制限を緩めることは、デジタル権利管理(DRM)にとって一歩前進となるかもしれない。だが、Macrovisionの技術は消費者の間で議論を呼びそうだ。
Macrovisionのソフトウェアや、SunnComm Technologiesなどの競合商品は、無制限なCDのコピーや、保護機能のないMP3へのリッピング行為を抑制するためのものだ。コピーされたファイルは、ファイル交換サービスや他のデジタル媒体を通じて配布される可能性がある。
各レコード会社は、無制限なCDのコピーも、リッピング行為も、コントロールしたいと考えている。しかし彼らは同時に、消費者からの反発も避けたい。CDのコピーやリッピングに慣れてしまい、新しい保護機能を不公平な制限と受け取るかもしれない消費者が、こうした技術に反発しかねない。実際、米国や英国では、CDのコピー防止テクニックを巡って、いくつかの訴訟が起こされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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