日本電信電話(NTT)は1月19日、ブロードバンド回線を利用して街頭や店舗に設置された大型ディスプレイなどに映像を配信するためのコンテンツ配信標準仕様をパイオニアと共同で開発したと発表した。仕様の名称は「Virtual Appliance Access Method Plus(VAAM+)」。同時にパイオニアはVAAM+を採用した情報配信サービス「リモートキャストBB」を開発し、2月上旬より運用を開始する。
日本電信電話 NTTサイバーソリューション研究所 マルチメディア端末プロジェクト 主幹研究員の伊藤昌幸氏 | |
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ブロードバンドの普及に伴い、街頭や店舗に設置されたディスプレイに広告を配信する手法が広まってきている。しかし従来は表示機器のメーカーごとに独自の仕様を採用しており、コンテンツ配信サービス事業者はそれぞれの仕様に合わせてコンテンツを作成しなくてはならなかった。VAAM+はメーカーに依存しない共通の配信仕様であるため、サービス事業者は簡単・安価に広くコンテンツを配信できるという。
VAAM+では大規模な配信ASPサービスでの利用を想定し、コンテンツ制作や編成作業などの分担が可能なコンテンツフレームワークを採用。ユーザーがメニューを選択して操作するインタラクティブな構成も可能。またメニューや関連情報に特化した記述言語を定義することで、HTMLブラウザの10分の1程度の容量でブラウザを実装することも可能としている。
パイオニアがサービスを開始するリモートキャストBBは、画像データやコンテンツをデータセンターからブロードバンド回線を通じて端末に配信するシステム。利用者が自由に放映スケジュールを編成できる点が特徴だ。データセンターおよびブロードバンド回線はNTTコミュニケーションズが提供する。また、NTTコミュニケーションズはリモートキャストBBの販売も請け負う。システムの導入費用は規模によって異なるが、プラズマディスプレイ1台を含めた導入費用が約150万円からといい、月々の運営費用は放映番組費用や回線費用を合わせて月数万円という。
すでにデジタル広告配信事業者のユビキタスコミュニケーションズがリモートキャストBBを採用したサービスの導入を決定している。ユビキタスコミュニケーションズはブロードバンド回線によりネットワーク化したプラズマディスプレイを調剤薬局の待合室に設置し、そのディスプレイにオリジナルコンテンツや広告を配信するサービス「メディカルBB」の配信実験を2月上旬より開始する。調剤薬局チェーンのクラフトの店舗において約2カ月間実験を行い、実験結果をもとに他の調剤薬局チェーンにも導入を進める予定だ。
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